女は1週間以上前から心に決めていた。
今度の日曜日は必ずあれとあれを食べるのだと。
朝食を抜いて美容院に行き、その足で店へ直行した。
頭はあれとあれのことでいっぱいだった。
カラー剤を塗られているときも
シャンプーで目を閉じている間も
前髪が短くなっていく最中も。
あれというのは
アボカドチーズバーガーかもしれないし
いくら丼かもしれない。
カラフルなサラダディッシュかもしれないし
カレーかもしれないし
おばんざいかもしれない。
もうひとつのあれは、デザートだろう。
パフェか
ドーナツか
パンケーキか
あんみつか
甘い何か。
女はもう少しで目当ての店にたどり着く。
ちょうど昼時を少し過ぎた時間帯で、
どの店もまばらに客が出入りしている。
待ちに待った瞬間をむかえる。
ふと、「らぁ麺」の文字が目に入った。
そこには透き通った黄金色のスープと細麺に
チーズがトッピングされたらぁ麺の写真。
「らぁ麺フロマージュ」
「らぁ麺生ハムフロマージュ」
「レモンらぁ麺」
・・・・・
メニューに書かれてあるまま
まじないのように女は読み上げ、
店に吸い込まれていった。


