こんばんは。
神戸のDr.CANDY♪です。
今、わが家は部屋中芳しいユリの香りでいっぱい。
娘からの母の日プレゼントです。
ユリを見ながら、ふと、
以前、個性心理学を学んだ友人から聴いた話を思い出しました。
はじめて聴いたとき
母である私は、ひとり娘との葛藤の真っただ中。
不登校の娘を前にどうしていいか分からず
ただオロオロするばかりで
そんな私に、これまでの子育てを振り返る
きっかけを与えてくれました。
~杉の木の両親と松の木の子どものお話~
昔々、あるところに杉の木の夫婦が仲良く暮らしていました。
木は真っ直ぐに天に向かってそびえるものだと思っていました。
「価値観」も「行動パターン」もまったく同じですから、
友人のように仲が良かったのです。
そんな杉の木の両親に待望の赤ちゃんが授かりました。
夫婦はこれから生まれてくる子どものことを考えると
嬉しさでいっぱいになり、せめて五体満足で生まれてきてくれさえば・・・
と神にお祈りする毎日でした。
ついに出産を迎え、
無事に丸々と太った可愛らしい赤ちゃんが生まれました。
それから、赤ちゃんはスクスク育ちました。
乳飲み子の赤ちゃんの頃は「個性」が強く出ませんでしたが、
成長するに従って両親は「何か変だな・・・」と感じていました。
そうです、個性は遺伝しませんので、
生まれてきた子どもは松の木だったのです・・・。
ある日、杉の木の両親の間でこんな会話が交わされました。
「ねえ、うちの子って何だか変と思わない?」
「ああ、お前もそう思っていたのか!」
「このままじゃ、この子のためにならないわね」
「うん、なんとかしなくちゃ!」
松の木の天分は、くねくねと曲がりくねって横に枝を伸ばすのです。
木は真っ直ぐに上に伸びるものだと信じて疑わない杉の木の両親には、
松の木の個性は、理解できなかったのです・・・。
このままではいけないと感じた両親は
何度も話し合って、ある決断をしました。
それから、数日後の夜、
両親の取り決めた決行日がやってきました。
子どもはすやすやと寝息をたてて眠っています。
楽しい夢でも見ているのか、時折笑顔になりながら・・・。
両親は、かねてから用意してあったロープとガムテープを取り出して、
寝ている子どもをぐるぐる巻きに縛ってしまいました。
さらに、大きな植木用の枝切りばさみで、
子どもの枝を全部切り始めました。
寝込みを襲われた子どもは、ビックリして泣き叫びます。
「お父さん、お母さん、痛いよう~!」
「どうして僕の体を切るの?」
「僕、何も悪いことなんかしてないよう~」
血だらになって、のた打ち回るわが子に対して、杉の木の両親は耳を貸そうとはしません。
「これが 親の愛情 なんだよ」
「大人になったら分かるからね」
「これが おまえのため なんだよ」・・・・・
枝を全て切り落とされてしまった松の木の子どもは、
成長の芽も可能性の芽も全部一緒に切り落とされ、
小さく小さく萎縮してしまいました。
その後も松の木の両親の意に添うように、
枝を切り続けられて育った子どもは、個性を否定され、
自信を失った無口な友達の少ない子どもになってしまったのです。
しばらくして、子どもは成長期を迎えどんどん大きくなっていきました。
しかし、松は杉にはなれません。
子どもはその枝を横に伸ばして成長していきました。
それを見た両親は、落胆してしまいました。
「うちの子は直らなかったわね・・・」
そうして子どもが連れて行かれたのが、
精神科の病院やカウンセラーの先生のところでした。
訳もわからず、自分を理解してくれるどころか
「親の個性と違う」という理由だけで、病気扱いをされてしまったのです。
松の木の子どもは病院に運ばれましたが、
最初の先生は「松の木」でした。
その先生は言いました。
「お宅のお子さんはまったく正常ですよ。すくすく育っています。
どうぞこのままのびのびと育ててください」
それを聞いた両親は、
「この医者はヤブ医者だわ。こんな病院は信用できない」
と言って、病院を変えました。
次の病院の先生は、「桃の木」の先生でした。
杉の木の両親には、
桃の木の先生の言っていることがまったく理解できませんでした。
不信感を持った両親は、またまた病院を変えました。
自分たちが気の済むまで、何度も何度も転々と・・・
そして、やっと「杉の木」の先生にめぐり合いました。
その先生は言いました。
「ご両親のご苦労がよくわかります。
やっぱり、木は真っ直ぐに天に向かって伸びていないとね!」
それを聞いた両親は、とても安心しました。
「ようやく巡り会えた!この先生は私達を理解してくれる素晴らしい先生だ!」
病院をたらい回しにされた「松の木」の子どもは、
結局誰からも理解されることなく、理不尽な教育と躾をされ、
可能性の芽も、成長の芽もすべて切り落とされ成長していきました・・・。
子どもの倖せを願わない親はいません。
でも、、、
これが親の愛情
これがあなたのため
こんな正義を振りかざして
自分の価値観を子どもにどれだけ押しつけてきたかわかりません。
私が親からそうされたように。
子どもも さぞかし しんどかったことと思います。
今日は随分と長くなりました。
最後までお読みくださり有難うございました。