先日、お仕事で被曝ピアノを弾く機会がありました。

持ち主は呉にお住まいだった方でご自宅で使っていたそうですが、第二次大戦中、軍港だった呉では毎日のように空襲があったため、広島市内の学校に避難させていたそうです。

当時のアメリカは文化財や学校などは狙わないとされていたそうです。

が、原爆はそんな忖度はしてくれません。

学校にあったこのピアノも被爆してバラバラになっていたそうです。

その当時、広島市内にピアノ制作工場があったそうで、そこで大まかな修復がなされたそうです。

なぜなら、

焼け野原に音楽を！とゆうことで、音楽学校が焼け野原の街の真ん中に設立される計画がありました。

音楽学校設立から数年後、音楽大学になりました。

音楽大学として認可してもらうには、グランドピアノが必要だったそうです。

呉にお住まいだった方はそれに尽力された方で、グランドピアノの修復をしたそうです。

我が母校のことでしたが、知らないお話だったので、とても感慨深く、演奏も少し緊張しました。

当時の個人宅にあったピアノはアップライトピアノが多く、グランドピアノはただでさえ珍しく、残っているのも数少ないそうです。

他には名古屋で被弾したピアノなどもありました。

戦争の傷を見ていて、物言わぬピアノの痛さが伝わりました。

今もウクライナでたくさんのピアノが痛い思いをしているんだろうなぁと思うと悲しいです。

それと共に、平和な場所で好きな音楽を演奏できる幸せを感じました。

被曝ピアノの巻