劣悪な労働環境を変えようとして労組を作ろうとしただけなのに、「共謀罪」をでっち上げられて逃亡しなければならない4人の若者の話ですが、これは本当にあった話ではないのですよね。

まるで戦前の、左翼活動や反政府活動が全く禁じられていた時代のようで現実味がないのですが。今の時代に大企業と政府と公安が手を組めばこんなヒドイことも出来るという想像力で書かれたのでしょうか?これでは今の若い人達がビビってしまって声をあげたり、行動を起こしたりしづらくなりませんか?

プロレタリア文学と紹介されて読んだのですが、あまりに極端な設定です。まるで小林多喜二の時代ですね。権力を握っていた大物政治家が別件で逮捕されたので奇跡的に容疑を解かれたり、4人が海辺の別荘に招待されたあげく法律の勉強もできたり、所轄の刑事が味方についたり、掃除婦がシュレッダーの書類を入手したり、と様々な奇跡が重なって自分達の夢がかなったわけです。現実にはこんなうまい具合には行かないことを今の若者は良く知っています。この本は苦しんでいる人に絶望と落胆を与えるのではないかと危惧します。会社にささやかな要求を申し出ることも怖れている若い人に何か助けになるような本を書いてはもらえませんか?