お気に入り度:★★★★★★

ジェネオン エンタテインメント
ライフ・イズ・ビューティフル

重~い作品が続いたので、今回は私のお気に入り映画『ライフ・イズ・ビューティフル』についてです。この映画は何年か前にTVで観たんです。その時は後半部分のみだったんですが一目惚れでした。


その前に、今日の晩飯に野菜(茄子、ピーマン、人参、玉葱)カレーを作ったんですが、皆さんは何カレーが好きですか?またカレーのおススメレシピがあれば教えて下さい。最近料理に凝ってるんですよー。


とりあえず本題ですが、舞台はムソリーニ政権下のイタリア・トスカーナ地方の都市アレッツォ。ユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)は本屋を開業する為にやって来た。

そこで偶然出会った小学校教師のドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)に恋をする。彼女はファシストの官吏と意に沿わない結婚を強制されようとしていた。

困難の末結ばれた二人にやがて息子ジョスエ(ジョルジオ・カンタリーニ)が生まれ、一家は笑顔の絶えない幸せな毎日を送っていた。

しかしジョスエの5歳の誕生日に彼らはユダヤ人強制収容所へと送られてしまう。グイドは愛する息子の命を守る為にある“嘘”をつく…。


第71回アカデミー賞の外国語映画賞、主演男優賞をはじめとして各国の映画祭 などで様々な賞を受賞した本作品は“イタリアのチャップリン”と称されるロベルト・ベニーニが監督、脚本、主演を兼ねています。

前半は主人公が型破りでマジカルな方法でドーラを口説く様がとてもユーモラスに語られてます。帽子のマジックなど、かなり笑えます。後半は突然のように襲ってくるユダヤ人弾圧の波。あまりにも平和で、美しい心温まる物語だったはずが、音を立てて崩れるように一変するのです。収容所では息子に怖い思いをさせない為に「収容所はゲームなんだよ」と信じ込ませ、その嘘の悲しみに満ちた滑稽さに胸が詰まります。

全般的に伏線の張り方にムダがなく、単なるユーモア描写と思われた部分が、後半になってことごとく噛み合っていくのです。


さて、この作品には「ホロコーストの悲惨さが描かれてない」という批評もあります。アウシュヴィッシュに代表される強制収容所にて行われた大量殺人…。確かに『シンドラーのリスト』のような残忍で悲惨なシーンはほとんどない。

しかし、そもそもこの映画は『戦争映画」ではなく、テーマは“愛”だからではないでしょうか。息子に怖い思いをさせない、息子の命を守るための嘘がホロコーストの悲惨さを笑いにしてしまってるからではないか。前半のドーラに対する愛、後半のジョスエに対する愛、この二つの愛こそこの映画の真に素晴しいとこではないでしょうか。最悪な状況の中でも「それでも人生は素晴しい」という事を表現するのに過剰なシーンは不要なのではないのでしょうか。


とにかく何度観ても笑えるし泣けますね。笑いと悲しみが紙一重であることを痛感させられる一本でした。