今年も繰り返し警告します。日本の森に必要なのは森林整備です。断言します。植林ではありません。バイオマスエネルギーを必要としない現代、鬱閉した葉面積がとんでもない蒸散量を生み、大水害が年に幾度も繰り返される時代が始まりました。

 

戦後の、はげ山対策の植林など必要ありません。命を守るなどウソです。今年も水害でたくさんの命が奪われるでしょう。

メディアがクローズアップする水災害のメカニズムでは、上昇気流による低気圧刺激ばかりクローズアップされていますが、森林が発生させている「蒸散」と「樹幹遮断による蒸発」水蒸気については誰も云わない。森林近くで雨が多いことは誰でも知ってるのに。


森林の持つ作用のうちで、人間に有益な部分だけを機能と呼ぶ人々はこの水害を森のせいにしたくないらしいですね。
このままだとホントに危険です。
 

いい加減にこの前時代的な植林活動から目を覚ましましょう。

地球温暖化対策はまた、格別の施策が必要なのです。
決して反対のための反対意見を言っているのではありません。バイオマスエネルギーを日本人が使用しなくなって半世紀。整備されない里山は材積率が拡大し、東南アジアや南米の密林のような広葉樹林帯が「蒸散」する水蒸気積乱雲は、西から前線を刺激して都市部でのゲリラ豪雨や竜巻などの深刻な被害をもたらしています。列島全土が熱帯雨林化してきているのです。

また、昨今問題になっている獣害についても、整備されていない里山のハビタット ニッチ(動物たちの生態テリトリー)が住宅地の目の前に迫っており、ひょいと首を出せば畑が広がっている状況です。獣害の原因は、メディアで言われている処の、山に食料が無いからイノシシが人里に降りてきているというわけではありません。

 

また、森林から発生する「蒸散」の他、降雨時の樹幹遮断により「蒸発」する水分量は蒸散の更に2倍以上との研究結果もあり、その水蒸気は積乱雲を大きく発達させ人の生活圏で大雨を降らせています。

 

植樹など即刻辞め、里山整備を始めましょう。山は伐れば死ぬと思っていらっしゃる方が多いですが、それは杉、ヒノキなどの人工林に限っています(ちなみに、広葉樹との混交林にしなければ土砂崩れが起きやすくなるといいますが、「鬱閉(広葉樹の葉面積が森を覆いつくしその根は痩せた地面に骸骨のように広がっている)」状態の広葉樹林はその重みに耐えられず、あっという間に崩落してしまいます。)。

雑木(一般的な広葉樹)は伐っても、ひこばえから15~20年のサイクルで再生します。

 

民主党時代に環境庁はお金を産まないからと言って森林整備をやめてしまい、1000年以上のサイクルを想定し、天然更新(ほったらかしで山を再生する)の道を選びました。予算削減目的の環境省や古臭い学者の偏った見識のもとに続いている植樹。数千年をかけ先人たちが穏やかな自然環境を構築してきた日本が、わずか数十年で水災害大国に変わってしまっている現状にはそぐわない対策です。


植樹は都市部周辺の森を、ほぼ一年中雨が売り続く屋久島のような環境にしようとしています。どれほどの危険があるか、想像に難くないでしょう。
森は簡単には死なない。守ろうなどと、ヒトが言うのはおこがましく、幼児が母親を守ろうとする姿に似る。数千~数万年年など自然生態系にとっては一瞬なのだから。