マスコミが報じない自衛隊の姿
「自衛隊よ、お前達を危険な目に遭わせる奴は俺達が許さない」
「ぜひ残って、町の再建に協力してくれ」
嬉しさがこみ上げるとともに、何としてもイラクの復興支援活動を成功させなければという思いが一層強くなりました。
“Honest Japanese: All of us are with you for re-building our safe city.”
(正直な日本人達よ、一緒に安全な町を再建しよう)
“We thank you for all efforts you exerted for us and for the peace”
(自衛隊が我々のために、そして平和のために努力している事に感謝している)
日の丸を掲げて、ほほ笑んでくれた親子。嬉しかったです。
有力者の方々と、固い握手を交わす佐藤。
「サマーワで自衛隊が出来る事は限られている。けれど、常にベストを尽くそう。そして結果を出そう。」
支援デモは私にとっても隊員にとっても、大きな心の支えになりました。
イラクでは先人の偉大さも思い知らされた。
イラクの人々は日本に対して憧れと尊敬を抱いている。
どこでも出るのが日露戦争と日本の戦後復興である。
「同じアジア人が西欧の大国ロシアに勝った。日本は凄い」日露戦争の日本の勝利は、彼らの民族主義をくすぐることもあって、日本への誉め言葉として何度も聞いた。
修理の調整を行なうために、サマーワ市内のカディーシア大学に出かけた時のことだった。
イラク人教授が学生たちに日本海海戦(日露戦争)を教えているではないか。
これには驚いた。
また、日本の戦後復興はイラクの人々の憧れでもある。
アメリカに二度も原爆を落とされながら、高度経済成長を成し遂げ、世界有数の経済大国となった日本に、彼らの希望の光を見出す。
いつかは俺たちも日本のようにと。
(略)
イラクには日本人の先輩たちの足跡があちらこちらにあった。
たとえばサマーワで最も高い建物である総合病院は総合商社の丸紅がODAで建てたものである。
建物だけではない。イラクの人々の心の中には二十数年前の日本人の姿、信頼という基盤が今も残っていた。
砂漠の小さな街で一人の男が近付いてきて、英語で自慢げに言った。
「こういう日本人をお前は知っているか。一緒に働いたんだ。俺の友達なんだ」そしてあるときは、サマーワから200キロ以上離れたバスラから宿営地に一人のイラク人が訪ねてきた。
バスラはかつて日系企業の進出が相次ぎ、ジャパンマネーで潤い、飛躍的に発展を遂げた。
彼は、昔のお礼を日本人である私たちに言うだけのために、わざわざ遠い道のりをやって来たのだった。
長い歳月を経ても、イラクの人々の中に生き続ける先輩たち。
当時の人々と日本の企業戦士たちの間に結ばれた絆と信頼は今も色褪せてはいなかった。
先輩たちの誠実な仕事が現地の人々の心を掴んだのだろう。
他にこのような国があるだろうか。
私は日本人であることに誇らしさを感じて、目頭が熱くなった。
と同時、果たしてわれわれは、先輩たちのように、二十年後もイラクの人々の心に留まれるだろうかと思った。
「イラク自衛隊『戦闘記』」佐藤正久 著
日本が「世界に好影響を与える国」No1というのは本当のことだと思うよ^^
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イラクに自衛隊を派遣したことは賛否両論あるわけで、この出来事をもって全てが肯定されるわけではありません。
しかし、日本が評価されるべき事柄は極力報道しないというマスコミの姿勢は大問題です。
物事にはいくつかの側面があるわけで、正しく評価し判断するためには良いことも悪いことも知っておく必要があります。マスコミが広く偏ることなく事実を知らせることで国民は世界をしる目と耳を手に入れることができるわけです。
報道の原則は功罪両論併記、不偏不党です。
インターネットの出現で変更したマスコミの報道に疑問を持つ人々が増えてきましたが、まだまだ圧倒的少数です。
日本が再び歩みを間違わないためには、マスコミ業界の改革と国民一人一人のメディアテラシーを高めることが急務です。