10月26日、スモッグに覆われた北京天安門広場。国際オリンピック委員会は、北京市深刻の汚染のため、五輪の一部野外イベントを延ばす可能性があると警告した。(Photo by Guang Niu/Getty Images)


北京の大気汚染に対抗、肺機能強化の食事療法を採用=英五輪選手


 【大紀元日本1月1日】

イギリス陸連が先週、大気汚染深刻の北京へ送る英五輪選手のために、肺を浄化し、肺機能を強化する食事療法を採用すると明らかにした。

 英メディアによると、イギリスの陸上競技の管理主体であるイギリス陸連(UK Athletics)は先週、世界で最も汚染された都市の一つである北京での五輪の試合をスムーズに行うために、肺機能を強化する食事療法を採用すると発表した。また、北京五輪委員会に汚染を抑えなければ選手たちに防毒マスクを持たせていくと言った国もあるという。

 一方、専門家らは、北京の空気が来年の五輪の野外イベント成績に影響を与えることを懸念している。国際オリンピック委員会はすでに、北京の汚染を配慮してイベントの日程を変更する可能性があると警告した。

 イギリス陸連運動医学専門家のハミルトン氏は、汚染害を弱める食事療法を選手に提供すると確認した。例えば、ビタミンCおよびEが含まれる食物は肺機能を強化することができるため、抗酸化物およびビタミンC、Eの食物を沢山取るようにさせるという。

 北京市が12月21日スモッグに覆われた。環境基準PM10で測定した結果、スモッグと塵の粒子は一立方メータル当たり600マイクログラムをも上回り、WHOが認定する大気中における浮遊粒子状物質の最大安全基準の12倍であった。中国国家環境観測センターは、年寄りにこのような状況では活動を室内範囲に控えるべきだと警告した。比較の数値として、同日にアテネで測定された浮遊物質量は70以下で、ロンドンでは40以下であった。

 北京で9月に開催されたオリンピックのマウンテン-バイクのテストイベントでは、アメリカの選手Adam Craig氏はレースの途中でリタイヤした。「私は肺の機能が止まった。通常のように深呼吸をしたが、激痛と激しい空咳が発作して、呼吸が普段の4分の1ほどしかできなくなった」とCraigさんが北京での体験を自分のブログで書いた。

 アメリカオリンピックのボクシングチームの医者Frank Filibertoさんが、先月の北京でのイベントの状況に驚いたという。「外でジョギングした選手は、10人のうち4人が呼吸問題を起こして戻ってきた。それから全員がホテルの廊下で運動するようにした」と語った。

 北京当局は、来年夏まで大気中の浮遊粒子のPM10値を150ミリクログラムまで下げると希望しているが、この数値でもWHOが認定する安全基準の三倍よりも高い。報道によると、北京当局は約2000兆億円を投資して環境汚染問題と戦っているが、10月に発表した国連の報告では、北京五輪が開催されるまで汚染を浄化するには間に合わないと警告が出されている。

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