【社説】外国人に助けを求める脱北者の子どもたち


 脱北した未成年者3人が昨年11月、韓国を目指し中国からラオスに密入国したところ、現地で摘発された。最近、彼らがラオスの監獄から現地の支援団体関係者に宛てて書いた手紙が公開されたが、その中には彼らの味わってきた地獄の日々が綴られていた。


 17歳のチェ・ヤンミさんは飢えに苦しむ中、母親とともに脱北したが、母親は中国で人身売買業者に売られてしまい、弟ともはぐれてしまったという。一方14歳のチェ・ヒャンさん、12歳のチェ・ヒョク君姉弟は母親が餓死した後、ほかの孤児らとともに脱北することになった。


 流れ流れてラオスの監獄にたどり着いた彼らは、今月6日には現地の北朝鮮大使館関係者の審問を受けることになった。手紙からは彼らの感じた恐怖が生々しく伝わってくる。


 「朝鮮(北朝鮮)大使館の人がやって来ました。怖くて怖くて体が震え、声を絞り出すのが精いっぱいでした。『北朝鮮に戻るくらいなら死んだ方がいい。わたしは韓国人だ』と叫びました…」


 「北朝鮮に行かなくて済むのなら、地獄にでも行きます。北朝鮮大使館の人々が来て悪態をつき、党の配慮がどうだのと言いながら怒鳴りつけました…わたしにはそんな党の配慮なんかいりません」


 「わたしたちがここにいることは北朝鮮にも知られているのです。助けてくださるなら、大きくなって必ずそのご恩に報います」


 現地在住の韓国人らは、この子どもたちが逮捕された後、韓国大使館に対応を要請したという。しかし面会しにやって来たのは、彼らにとっては死に神も同然の北朝鮮大使館員だった。どういうわけか、韓国大使館の関係者が何らかの対応を施したという話は伝わってきていない。


 ラオスは東南アジアの代表的な親北朝鮮国家だ。先の脱北者らも3カ月の刑期を終えたにもかかわらず、拘束されたままだ。韓国大使館の関係者が活動するうえでも困難は少なくないだろう。しかしだからといって、収容されて4カ月にもなる彼らに1度も面会しに行ってないとは一体どういうことなのか。外交部の関係者は、面会はしていないが、ラオス側に特別な配慮を要請し、それが受け入れられていると釈明している。


 3人のうち最も年少のチェ・ヒョク君は手紙の中で「米国人のおじさん」に向かって「助けてほしい」とすがった。こうした中、彼らの境遇について発表し、救助を訴えた人物は、日本の脱北者支援団体の事局長だった。本来韓国人がすべき義務を、他国の人々が代わりに果たしてくれている。われわれは1日も早くこの子どもたちを救い出し、こうした恥ずべき状況を改善しなければならない。

朝鮮日報/朝鮮日報JNS