みなさんあけましておめでとうございます!

山陰支部の椎名達でございます。

新型コロナも第6波が始まり、年明け早々に先行きが見通せない状況となっていますが、本会もできうる形で活動を続けていきたいと思っていますので、今年も何とぞよろしくお願い申し上げます。

 

さてさて、椎名家ではふたりの子どもが幼少から音楽に親しんでいます。長男はかれこれ8年ほど、長女は4年ほどピアノを習い、またそれぞれ松江の合唱隊でも活動しています。そんな活動の「礎」で「要」となっているのがピアノ・・・ですが、実はこれまでずっと電子ピアノを使ってきました。本格的なピアノタッチを再現しているとあってそれなりには上達しましたが、いよいよ各部が傷んで練習に支障をきたすようになったため、この度の某給付金を活用して中古のアップライトピアノを購入するに至りました(*‘∀‘)経済回すよ!

 

 

そして購入した楽器店(搬入・調律付き)の方とお話をしましたが、ピアノは響板・ハンマー機構などは木材、弦はワイヤーで作られていて、数千~1万点もの部品が組み合わさっている繊細な機械、とくに湿度に敏感だそうです。常に湿度が高いと、ハンマーの動作に支障が出たり、内部がカビだらけになったりと、ピアノにとってよろしくない環境です。一方で、湿度が低過ぎても、木材の反りや割れなどに繋がり、こちらもピアノにとって厳しいとのこと。なので、ピアノがある部屋の湿度には気を遣ってあげる必要があります。

 

ピアノ内部の湿度を自動で調整してくれる機械としてダンプチェイサーというものがありますが、取り付け・稼働には「1年で最も乾燥している1月~2月に行う」ということが鉄則らしいです。ダンプチェイサーは効果が強いため、ピアノが多くの水分を吸っている時期に導入してしまうと急激に水分が抜けることになり破損・故障の原因となるとのことで、1月~2月あたり、ピアノが最も乾燥している時期に電源を入れるのがよいそうです。

 

ちなみに湿度計で測ると、積雪がある我が家の床面付近の湿度は概ね80~90%と、かなり多湿なことがわかりました。全国的にも雪が降る地域では、冬場でも湿度が高いところが多いと思います。それでもピアノが一番乾燥している・・・というのは、まずひとつめに、気温によって含まれる水分量がかなり違っているから・・・です。

 

「飽和水蒸気量」という言葉を聞いたことある人は多いと思います。(気象(予報士)では飽和水蒸気圧という言葉の方がなじみがあるかもしれません。)飽和水蒸気量とは、「ある気温で、空気の単位体積あたりにどれだけの水蒸気を含むことができるかの最大値」と言い換えることができます。そして気温が高いほど多くの水蒸気を含むことができるという性質があります。

 

例えば、気温5℃での水蒸気量は6.8g/㎥、気温20℃では17.3g/㎥、気温30℃では30.4g/㎥含むことができます。ここから、例えば気温5℃・湿度80%だと水蒸気量は5.4g、気温20℃・湿度60%の時は水蒸気量は10.4g、気温30℃・湿度40%だと水蒸気量は12.2gとなります。冬で湿度が高い状況よりも、からっと晴れた夏の方が、空気中に含まれる水蒸気量は多いことがわかります。

 

ふたつ目に、もちろん気温5℃・湿度80%の環境のままピアノを練習する人は少ないでしょう。たいていの場合は、ある程度閉じられた空間で、ヒーターなどを使って気温を上げ、過ごしやすい環境にして演奏すると思います。単純に、空気中に5.4gのままで気温が上がれば・・・、湿度は大きく下がります(気温20℃に上げると湿度は凡そ30%)、⇒すなわち「冬場のピアノ周りは乾燥度合いが強い」ということが言えると思います。

 

実は同じような理由で、古来より伝わる製鉄法「たたら」も、冬場に行われます。良質な和鉄をつくるためには湿気を避けた方がよいとされ、毎年最も寒さが厳しい1月下旬~2月初旬にかけて行われています。以前、地元某TV局のニュースで、「たたら製鉄は、寒さが厳しく湿度の低くなるこの時期に操業を行なっている(原文ママ)」と説明していて、「低いのは湿度ではなく、空気中の水蒸気量だ」と指摘したことがありますが、湿度と水蒸気(水分)量の違いについて、普通の人はあまり気にしていないのかな・・・と感じました。

 

参考までに、ある気温での飽和水蒸気量を簡単に計算してくれるサイトがこちら (立正大学内のページ)他にも色々なページがありますが、ここでは同時に飽和水蒸気圧まで計算してくれるので便利です♪

 

そんなところですが、新型コロナのオミクロン株が猛威を奮っているなか、季節は最も寒く、  湿度 水蒸気量が少ない時期となります。ここまで読んでくださった皆さんも、風邪などお気をつけて、今年1年頑張っていきましょう!