退院前に、会陰切開の傷の抜糸をしたら、随分と楽になりました。
抜糸中、神宮花火大会の花火の音がうるさいくらい聞こえてきました。
抜糸の後、病室からは光しか見えなかったので、病院の玄関をでて、駐車場で花火を見ることが出来ました。
一人で短時間見ただけなんだけど、初めて夏を感じたように思います。
陣痛室以上に記憶が曖昧で、あれは現実だったのかなと思うような分娩室編を始めます。

いきみスタート
分娩室に移動して、分娩台に登り、足が固定されて、背中のリクライニングも上がり、分娩の姿勢をとらされました。
脇のレバーを握って、いきむように言われます。
この時、分娩室には看護師(兼助産師)さんと、私と夫だけでした。
何度か試すうちに、足を踏ん張って、レバーを掴んで身体に引き寄せるように力を入れて、目はお腹を見て、う◯こするように力めば、うまくいきめていると言われました。
いきめるようになったころ、医師と看護師がなぜか複数人数入ってきました。
分娩を担当する医師が二名の他、面識もない先生や看護師もいたし、入院時にお世話になった先生は、分娩室に入ってきたなり私の肩に手を置いて、確か「頑張って」と言い残して出ていきました。
複数の人たちが出入りする分娩室に戸惑いを感じながら、いきみを続けました。
私は踏ん張ってみて、看護師さんに膣を触られる状態を何度も繰り返しました。
途中で医師に変わったら、膣から温かい水がニョロニョロと流れました。人工破水でした。
NSTのモニターを見て看護師さんがいきむタイミングを教えてくれるんですけど、私がいきませてほしいタイミングがなぜか過ぎた後にいきむように言われるので、力が今ひとつ入りませんでした。なぜなんだか未だによくわかりません。
分娩室では褒められて指示されるので凹むことはなかったのですが、私はいきむのが下手だったと思います。
何ヶ月もいきまない生活をしていたので、完全に腹筋無くなっていると思います。
7時に分娩室に入り、多分8時も過ぎた頃、赤ちゃんの心拍に影響が出てたようで、常に呼吸を整えるように言われて、口には酸素マスクが付けられました。
夫は分娩室の窓際で、飲み物を含ませてくれたり、看護師さんの指示を繰り返したりしてくれていたのですが、酸素マスクが着いてからは、マスクがズレるのを直してはズレるの繰り返しで、私的にはそれなりにウザいと思ってました

そうこうしているうちに、時間は9時を過ぎていたようで、気がづいたら私の脇に師長さんが居て、いきみのタイミングを教えてくれまして、なんだか恐縮しちゃいました。
いつまで経っても出てこない赤ちゃん。
医師と看護師のひそひそ話が続きます。
突然医師より、
「赤ちゃんが恥骨に引っかかっていて苦しいから、吸引分娩にしましょう」
と言われ、了承すると、分娩室内の空気がガラッと変わりました。
吸引分娩の話が出る前に、会陰切開のための麻酔の注射が打たれたと思います。
軽くちくっとした程度で、きったタイミングは全然わかりませんでした。

吸引分娩
医師が吸引のための準備を始めます。
私は吸引という事実に心配にはなりましたが、やっと終わりが見えてきたように思えました。
吸引の機械は見えませんでしたが、医師が準備が出来たころ、誰が私のお腹を押すかという話になっていました。

主治医の登場
そんな空気の中だったと思います。
分娩室の自動ドアが開いたら、丸山先生が入ってきました。
私にしてみれば、すっごいサプライズだったのですが、後ほど聞いてみると、他の医師が出勤していた先生に連絡してくれたそうです。
私に時間感覚はなかったのですが、この時は9時20分頃だったはずです。
分娩室では、じゃあ先生がお腹を押せばいいと、全会一致でした。

生まれる
先生の「じゃあ、やりましょうか」的な発言をされて、私の分娩台の横にある階段を登り、お腹に先生の手があてられます。
次の陣痛で吸引することになり、いつも通り力むよう言われます。
どんな痛みが待っているのか分からない恐怖はありましたが、丸山先生であれば最小限の痛みだと思えるのと、私にはきちんと次の陣痛で決めなくてはという気持ちと、やっと終わるんだという安堵感で、不思議なくらい気分は落ち着いてました。
すぐに次の陣痛がきて、私はいつも通りいきみ、足元では医師が吸引機器を操作して、丸山先生は意表を突くくらいのソフトタッチで私の股の様子を覗き込みながらお腹を押されました。
感覚がマヒしたのか、痛みは感じず、ただ、股の間で、赤ちゃんと私の骨なのか、骨同士が擦れるような感覚がありました。
その後すぐに、
「赤ちゃんの頭が出ました」
と報告があり、続いて赤ちゃんの身体が旋回され、肩を出そうとぐりぐりされたら、肩もでたのが感じとれました。
赤ちゃんの泣き声が聞こえて、私に見えるように、赤ちゃんがお腹の上に置かれました。
ぎゃん泣きする赤ちゃんに手を伸ばして、手を触ってみたら、ぷにぷにしてて、興奮しすぎて、多分「うわ~」とか会話にならない言葉を発してたと思います。
看護師さんが、私の頬に赤ちゃんの頬をあててくれて、それが柔らかくて温かくて、さらに大感動。
私の第一声は「丸山先生、赤ちゃんと写真とりたい」でした。(←夫とは後でゆっくり撮れると思ってたので…)
念願だったスリーショットを夫が手早く撮ってくれたのですが、自分が被写体じゃないことへの恨みなんじゃないかと思うくらい、私と赤ちゃんが変顔て写ってました

赤ちゃんと夫は分娩室を後にして、丸山先生や他の医師たちも出ていき、分娩室には医師2人と看護師さんになり、私の後処理となるのでした。
こうして無事、赤ちゃんは産まれたのでした。
私は超ハイテンションで、後処理の痛みは感じませんでした。
そして、恥骨に赤ちゃんが引っかかったのは、赤ちゃんが看護師さんと主治医を待ってたのかなと思えました。
というのも、赤ちゃんが私の身体から出てきた瞬間、目を開けてたそうで、吸引した医師が目があっちゃったと驚いてたそうです。
結構自慢したくなるくらい、いいお産でした。
入院生活に比べたら全然対大したことなかったです。
これから出産を控えている妊婦さんも、いいお産だったと思えるお産が出来ますように
