「うちも商売なんで、電話独占されると困るんですよ!」強い言葉にびっくりしたのか女性は後ずさった。
そして小さくうなだれ
「そうですよね・・・ご迷惑・・・おかけしました」普段ならそんなに怒るところじゃないんだろうけど、なんだかすごくいらっとした。
カルシウム不足かしら?
そして、すごすごとそのままスタジオを外へと出ていった。
"よっしゃ!"
心の中でガッツポーズ
"オレは幽霊(もどき?)に勝ったぜ"
今思えばんなことはない。ただ、ちょっと変わったお客さんを追い返しただけだw
「いやぁ、たけし君。すごかったねえ。いるんだね、ああいう人w」
と、オオタニ。
「びっくりだよなあ。でも、オレうそ言ってなかったろ?」
なんて感想してたら
また入ってきやがった今度はさっきよりさらに切羽詰まった感じだ。
カウンターに向かって一直線に歩いてくる。咄嗟に身構えるオレ。
刃物か?刃物出るのか?
そして手に持った小さな荷物をカウンターに叩きつけるように置き
「お願いします!警察呼んでください!!!」
まったくもって意外な展開。だめだ、もうこの人。
「あたし・・・もう途方にくれちゃって・・・川口市弥平の白いマンション住んでるって聞いたのに・・・」それだけの情報で探しに来る行動力は大したもんだ。でも、なんで警察?
まあ、本人たっての希望とあらば呼ぼうじゃないの。と、110番。
「ハイ、110番。事件ですか?事故ですか?」
おや、困った。これはどっちに入るんだ?事故じゃないから事件か?
「迷い人を保護しまして」
「ああ、それはどうも。怪我はされてますか?」
「いえ、ピンピンしてます」
「男性ですか?女性ですか?」
「女性です」
「年齢はいくつくらい?」
お、ぱっとみの肌の感じから40後半に見えるが、オレとしては女性に体重と年齢は尋ねたくない。
「30代前半に見えます」
ついお世辞を言ってしまったw
「わかりました。そちらの住所は」
「埼玉県川口市弥平3-5-23 キャメルスタジオです」
「ああ、キャメルスタジオさんw」
なにそれなんでそんなになれなれしいの?オレの知ってる人?
ウチが空き巣に4回も入られたり、おかしな人がしょっちゅうくるから「やれやれ、またか」的な何か?
「そうですw」
うーん、いまだにこの警察の対応は不思議だ。
110番て集中センターみたいなとこに入ると思ってたんだけど、実は地域課とかに入ってんのかなあ・
「じゃあ、現場に向かわせますんで」
「よろしくお願いしまーす」
ふう、これでこのヤマも片付いた。
「呼んで・・・くれましたか?・・・」「ええ、じきにきます」
つか、ウチは公衆電話じゃねえし、パトカーはタクシーじゃねえんだ。
そして、ほっとしたオレとオオタニ。さて、モンハンの続きでもするか。とオオタニがタバコをつけると。
「タバコやめてっ苦手なんで!!!」こいつ、とことんだ。それで、その大きなマスクなんかい!
しかし、警察も呼んだしここで外にいかれては困ると気を利かせたオオタニはタバコを消す。
30分後、覆面パトカーで来た警察に女性は無事保護された。
詳細は一切わからない。
そして、ミラバルカンのクエストは見事失敗に終わった。
「今回はしょうがない。敵が強すぎた」
とはオオタニ談。確かにw
キャメルスタジオは平和を取り戻し、今日も酒を呑みモンハンをしている。
しかし、いつまた恐怖の来客があるかわからない。
そりゃシラフで店番なんかできないわな。生きるとは常に恐怖と隣あわせ。
一番近い恐怖は糖尿と倒産だけどねw
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おしまいっ
明日からまたライブハウスの話