今回は検査もなかった為、
診察内容は今後の治療の事のみ…
ドキドキしながら診察室へ入りました

入って早々…それも
まだワタシが椅子を出して座る前から
先生は話し始めました


「色々調べたりしてみたけれど
今回のように肺に障害が出た場合は
このまま免疫治療を続けるのは
難しい感じなんだ」


なんとなく予想はしていたけど
調べた結果も結局同じ…


「臨床試験でも副作用が出てからは
治療はストップしているし
再開したというデータは少なくとも
うちの病院にはないからね」

「小野薬品のほうにも聞いているところだけど
今お話した事がこの1週間調べて
分かっている事かな」

新薬最大のデメリットは
エビデンスがほとんどないという事の
ような気さえしました…


「前回の抗がん剤の時と同様に
免疫治療を再開するにしても
肺の炎症が落ち着いてから治療をするのが
やっぱり今の状態だとベストだよね」


そうですよね…それは分かっています
彼くんの表情が曇っていくのが
後ろから見てても感じ取れるようでした

それよりも…
免疫治療の再開以前に
前にワタシ個人で聞いた話が気になる

《治療が出来なくなってしまうから》

彼くんと先生の会話が途切れたところで
ワタシから聞いてみました
現状が全て分かった今
先生は彼くんを目の前にして
なんて答えてくれるんだろう?


「肺の炎症はとりあえず置いといて
その後免疫治療が中止になった場合は
どうなるんですか…?」


「うん、そうなった場合は
抗がん剤をやるかどうかって話になるね」


この時点ではあの時出来なくなると
言っていた治療は
治療全てを指していたのではなく
免疫治療の事だと思いました
彼くんが抗がん剤治療は嫌な事を
分かっていながらも
こうなったら引き続き質問


「その場合、使う種類はなんですか?」


過去の彼くんの治療データなどを見ながら

「使用するとなるのはアリムタかな」


「単剤ですか?」


「うん、そうだね
ただこれも間質性肺炎の副作用があるからね…」


そんなの…今まで使ってきた抗がん剤
全てにつきものじゃないですか…


「そして抗がん剤も効果が出やすいものから
使っていくから…これまで2回の治療でも
あまり効果が出なかったなら
次に投与したとしても
治療効果としては10%位なのかもしれない
それなら1番効果があった免疫治療を
もう1度、と言うのは分かるけどね」


やっぱり遠回しに
今は肺の炎症に被せられるのを良い事に
癌の治療をするって事自体が厳しいと
言いたいわけ…?
大体始めにやるかやらないか…って
やらなきゃそのまま一生無治療じゃない
それがどういう事か分かってますか?
何言っちゃってんの…?この先生…
↑感情論だけで1人突っ走ったら
ワタシの場合こうなります

でも、きっとそうではなくて
それ位今の状態での治療はリスキーだと
加えて彼くんの抱えた病気は難しいと
先生は言いたいのでしょう
だけど彼くんがどんな想いで
この話を聞いているかと思ったら
1人突っ走る感情論任せに
なりたくなってしまいます…

それでも彼くんは抗がん剤治療よりも
免疫治療を再開する事を強く強く
望んでいるのが分かりました


「(免疫治療再開の)データがないなら
僕がデータになっても構いませんから」


治験のお話が出たと言うならまだしも…
先生へ自らそう話す彼くんの言葉を聞いたら
その理由が1番効果があった事だろうが
髪の毛の事だろうが
目に見える副作用が少ない事だろうが
今は何でも良いような気さえしました
それはどうでも良いという事ではなくて
彼くん自身が1番納得して
1番望む治療を受けて欲しいという事…
↑これまた1人突っ走る感情論

肺の炎症を今回クリアしたところで
どの治療法を選択しても
リスキーな事に変わりはない
それを全て理解した上で
1番治療効果が得られた治療法を
彼くんはもう1度チャレンジしたいのだと
改めて思ったからです

そう思えたのは、肺の炎症は今の段階では
重篤ではないと言う事を
聞いたからかもしれませんが…
↑今日聞いた中で唯一良かったといえるお話


感情論で突っ走って
ベストな治療法が見つかるわけがない事も
これまで沢山の患者さんの症例を見てきた
先生のお話を無視して強行突破に出たら
それこそ本当にリスキーな事も
ちゃんと分かっています…
だからこそ、彼くんにかけてあげる
言葉がいつも浮かびません
何にも彼くんの元気が出る事を
言ってあげられないんです


前置きが長くなりましたが、今回の結論は…


免疫治療再開の方向で
今は炎症が収まるまで休薬


となりました
↑結局これまで通りなわけですが
これが今出来る最善策なのでしょう

今の段階だと何も変わらない上に
希望する治療がもう受けられなくなるかも
しれないという現実
どうやって受け止めたら良いのでしょう


診察室を出た後
いつもなら、これは捨てても良いのでは…?
と思うような用紙も
きちんとファイルにしまうのに
この日はお会計で受け取っていた用紙を
そのまま片手でぐしゃっと丸め
ゴミ箱へ捨てに行く彼くんを見た時は…


なんだかすぐそばに駆け寄れませんでした





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