入院のときのこと「6日目・退院!」 | カンボジア的スローライフ

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スローダウンしてみると見えてくるものがある。ありふれた日常のささやかな出来事。人生って、そんなささやかな暮らしの一つ一つが集まったもの。だから、その一つ一つを大切に暮らすことができたらいい。マンゴーがたわわに実る国、カンボジアからの発信。

朝起きたら6時ごろだといいなって思って、目が覚めると、残念なことにまだ3時。

もう眠れそうにない。


トイレに行ってから横になっても駄目。

もう諦めて、本を読みだす。


なにもすることもなく、4時半から、退院の荷物をまとめ出す。

ガサゴソ、ガサゴソ。


朝食前、すこし歩く。

眠りは浅かったから、あまりすっきりしない体で歩く。


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さて、最後の朝食。白いご飯、佃煮、豆腐のお味噌汁、キャベツとツナの煮物、牛乳。


もちろん、完食。


食後、ついに眠たくなって、1時間ぐらい横になる。

シーンと静まり返っていると眠れず、こうやって人の動きや賑わいがあるほうが、眠ることができる。


9時ごろ起きて、すでに最後の歩きに取り組んでいるみんなに合流して、歩く。

今日は、仲間が半分一緒に退院。私の退院時間が一番遅い。

一人、一人、住所交換をして、見送る。


みんなパジャマを脱いで、私服に着替え、すっぴんからほんのりお化粧をして、もう病人には見えない感じで現実の社会に戻っていく。


私は、1段階だけ現実に戻るだけ。日本での私の暮らしは、仮宿生活。プノンペンに戻ったときが、本当に戻るべき現実だもの、まだ先だわ。


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さて、最後の病院食となったランチ・タイム。献立は2種類で選択できる。がんもどきか、エッグロール。私は、元気の出そうなエッグロールをチョイス。そして、カボチャと青菜の和えものに白飯とリンゴ。


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とても美味しくいただきました!!病院の食事は美味しくないっていうのが、昔からのイメージだけど、私の入院した病院のお食事は美味しかった。


そして、着替え。

久しぶりにすこしだけお化粧。

最後に荷物をチェックしてあとはお迎えを待つのみ。


午後2時、ナース・ステーションに挨拶をし、階下に降りてお会計を済ませる。

「高額医療限度額申請」のおかげで、高額とされた部分は支払わなくて済む。

福祉ってありがたいものだ。


クメール人スタッフにもそんな話をすると「カンボジアにありえないわ」と。まず、自分自身が税金を支払うのがいやなんだもの、それじゃ、国家の財政はたまらないよ。社会における「相互扶助」は必要、自分が元気なうちは社会にしっかり税金を支払う、身内親戚一族だけ助ける「一族主義」はもうやめたらどうかしら?いつまでも、外国からの財政に頼っていられないのだから。それに、外国の財政って・・・・・私たちの大切な血税でもあるのだから。

いくらカンボジアが戦争で苦しんだっていったって、他国の汗の血税で暮らして、自分たちは税金の一文も支払いたくないなんて、理不尽だわ。


お迎えの車で、シャバ?に出る。

すこし前かがみに、ゆっくりしか歩けないけど、痛みはない。

ただ、日常生活っていろんな危険にあふれているんだなと実感。

院内の廊下を歩いているのとは、やっぱりわけが違う。


階段を上り下りするときの体の振動に傷がズキッ。

道路のでこぼこで揺れると傷がズキッ。

すれ違う人のリュックがおなかにあたりそうになり、ドキッ。

お買い物していて、おなかがズキッとして座りたいけど椅子が見つからないので、しかたなく売り物のチェアに座る・・・・・・座り心地を確かめるふり(笑)。

お財布をいれているだけの小さいバックを肩にかけている重みにしんどさを感じる。


などなど。

福祉ってもっともっと弱い人を助けてほしいし、その代わり、自分で働ける人、元気な人は、やっぱりそのパワーを提供するべきだ。


お買い物を済ませて、自宅に着いてすこし休んでから、また外に歩きに行く。

道端の野の花がやっぱりきれい。


この前も思ったけれども、退院後の、気分って爽快。

病気はまだ終わったわけじゃないし、治療も苦痛だったけれども、体も心もリセットされたって気がする。

日ごろの元気なうちから、これくらい体に気を使って、体のために暮らせるなら、予防できる病気がいっぱいあるような気がした。


日本人の勤勉さ、責任感の強さ、ワーカー・ホリック働きすぎ・・・・・・絶対に、見直すべきだな。そういうことを美徳としない社会にチェンジしていくべきだ。


私の入院記録は、これにて終了。

病気つながりのお友達ができて、そして、あれこれ、大いに学んだ5泊6日。

これも、私にとっては「よき旅」とおなじだったかもしれない。


しかし!入院の記録って言っても・・・・・やっぱり「食べる」ことばっかりだなぁ(笑)。