朝6時起床。
熱が平熱でうれしい。
お通じもお初ですこし出た。
生きているって、出るものが出て、食べるものが入るってことだ。簡単なようだけど、その過程にすごいシステムが働いているわけだ。
すこし心にも余裕が出て、またデジカメでの記録開始。今朝の朝ごはん。焼きはんぺんと大根おろし、全粥とのりのつくだに、キャベツのお味噌汁、牛乳。
完食。
食後、すっかりお友達になった皆さんと、お互いの似たような症状やらなにやら情報交換しながら、すっかり勇気づけられて、とにかく、みんなで点滴をごろごろ押しながら、歩け歩け大会のようにひたすら、院内の廊下を行ったり来たり歩く。
点滴とか、背中のチューブにつながった痛み止めボトルを首から下げたりとか、いろんなものを装着して歩く、外部の人が見たらなんだ?と思うだろうな(笑)。
皆病気はいろいろなのだけれども、背負ってきた苦しみは似ている。中には、何度も入院をしている人もいる。私よりもっと深刻な状況の人もいるし、軽い人もいる。
私は腫瘍を摘出しただけだけど、臓器ごと摘出した人もいる。私の症状は総合するとみんなの真ん中くらいみたい。
取り出したものを見て、先生が「これじゃあ本当に苦しかったわね」と言ってくださったとき、今までの苦しみをやっと理解してもらえたと感じて涙だ出たという方がいた。
今日もまだつらいけど、昨日より、今日は、やっぱり回復しているという実感がある。1日、1日だ。
今日の午後5時には、点滴も外れるという。
背中のチューブも抜くという。
シャワーも浴びられるらしい。
皆と歩く一歩にも喜びがあふれて、ひたすら、ひたすら歩く。
ランチは、すごいボリュームの煮込みうどん。お椀一杯に詰まってきた。一目見ただけで、到底食べられそうにない。さすがの胃袋の私も・・・。でも、頑張って半分まで食べる。蒸しパンみたいなのは、一口も入らない、バナナはカンボジアを懐かしみつつ、食べた。
午後、外来の診察を受けに行く。
そのあと、背中のチューブが抜かれた。これで、ひとつ自由になった。もう首からボトルを下げなくていいし、眠るときも、背中を気にしないですむ。
・・・・・・・・・と思ったのもつかの間、やはり持続的に聞いていた痛み止め(背中のチューブ)が抜けて、初めて傷の痛みを実感。ズキズキ痛みが襲う。今まで薬で感じないようになっていたんだと気づいて、改めて「術後」を本当に実感。
看護婦さんに服用の痛み止めをもらいにいく。
薬が効くまで、歩くのは休んで、薬が効き始めてから、またスローテンポでよろよろ歩きだす。3歩進んで3歩下がるかんじだなあ、本当にあと1,2日で退院できるのかなと不安になる。
でも、4時に最後の点滴のボトルになり、はやる気持ちが点滴のしずくを見つめさせる。寝ている方が落ちが早いので、横になる。「終わったら、本当の自由になって、大腕振って歩こう」と。
午後4時40分、最後の滴がぽとりと落ちて点滴終了。ポールごとゴロゴロおしてナース・ステーションまで歩き、腕から針を抜いてもらう。
「うれしいぃぃぃぃぃ!」
お部屋に帰って、食後に順番がまわってきてすぐにシャワーを浴びれるよう、洗面道具と着替えを準備。
それから、すこしほったらかしだった荷物をあれこれ整理。
そして、今度は同じように点滴のとれたみんなとまたおしゃべりしながら歩く。
楽しいけど、笑いは禁物。笑うとまだおなかが痛い!「お願い、笑わせないで!」とお互いに言いながら、ついつい、「うどんの強烈なボリューム」を語り、「浣腸のときの走り」を語りで、笑いを避けることができない。
傷は痛くとも、人生に笑いを避けるなんてことは、できないわよね。
だいぶ歩いて、おなかがすいて、待ちに待ったお夕飯。どんなに楽しく語らっていても、食事配膳車の音がすると皆病室に散らばる。とくに巨大胃袋の私の散り際の速さ。皆が「体が大きいからおなかすくよね」って温かく納得(笑)。体の大きさもあるけど、なんといっても血液型B型だから、自分のペースに忠実だものね(笑)。
お夕飯美味しかった。全粥、温野菜と豚肉の蒸しもののポン酢風たれ、胡麻和え、お漬物、キウイ。ぜんぶ私の好みだった。
完食。
そして、念願のお通じが大量に出る。よかった!腸が働き出した!
そして・・・・・・・・・・・・・!喜びのシャワーの番が回ってきた。
看護婦さんに傷口の防水テープ処置をしていただいて、おそるおそる、シャワーを浴びる。
なんて、気持ちのよいこと!!
ぜんぶ着替えて、すっかりさっぱり。
病室に戻ると、みんなもすっかりさっぱりしてまだすこし湿った髪で、また歩きだしている。
私も、また合流。
今夜はよく眠れるだろう・・・・・・と思いきや、23時半になっても一向に眠れそうにない。
おまけに読みだしてしまった2冊目の本も面白くて、どんどん目が冴えてくる。
眠れないと、内臓が休まないから、内臓の回復が遅くなる・・・・と5年前のバンコクでの入院の際に看護婦さんにさんざん言われ、しぶしぶ睡眠導入剤を飲んで眠らされたことを思い出した。
それで、今回は潔く、睡眠導入剤を頂く。
それで就寝。
午後にお隣さんも一足さきに退院し、今晩は一人の夜。
4日目終了。