入院のときのこと「2日目・手術当日」 | カンボジア的スローライフ

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スローダウンしてみると見えてくるものがある。ありふれた日常のささやかな出来事。人生って、そんなささやかな暮らしの一つ一つが集まったもの。だから、その一つ一つを大切に暮らすことができたらいい。マンゴーがたわわに実る国、カンボジアからの発信。

朝6時起床。

思ったより、よく眠れた。カンボジアに暮らして、「どんなところでも眠れる」技術を身につけた!


検温。平熱。


今日は、手術のため、禁飲食。お水もだめ。

空腹だけど、我慢。

朝7時ごろ、お隣の方が、無事とその後の集中治療を終えて、前かがみになってよろよろ歩いて看護婦さんと戻ってきた。


「あぁ、つらそうだ・・・・」

そんな様子を見るもつかの間、看護婦さんに呼ばれる。

朝8時、「最後のとどめ」のお時間。また、朝のさわやかな風を切って、トイレに静かに走る(笑)。


そして、1手術用の病院の寝巻に着替え、手術のための点滴が始まる。


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手術の際の点滴の針はとっても太いから「見ない方がいい」と看護婦さんに言われて、固定されるまで顔をそむける。ブスッって感じだった。


お昼12時、食事配膳車が来ても、私の食事はもちろんなし。

お隣さんは術後初のご飯のようだったけれど、一口食べて、思いっきり吐いてた・・・・「あぁ、気の毒」。そんな横で、私は、手術の準備。


手術中長い時間同じ状態で横たわるため、いわゆる「エコノミー症候群」による合併症を予防するための白い弾性ソックスをはく。サイズは、足の長さではなく、太さで決めるのだそう。足首、ふくらはぎ、太もものサイズを看護婦さんが計測してくれて、Mに決定。よかったLLじゃなくて。でも、身長のある私には丈がかなり足りなめ(笑)。


そうこうしているうちに、私の担当の先生がひょっこり顔をだしてくれた。すでに、先生も手術着に準備万端なようす。「カンボジアから予定通りに帰国しました。よろしくお願いします。」というと、先生が、なにも心配事がないように、あれこれ説明をしてださった。いつもが海外にいるため、事前の検査や処置が、すべて「通常」とは行かなくて、あれこれフレキシブルに対応して下さった先生。とても聡明で美人な先生で、私はひそかなファンなのだ。


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先生にも会えてよかった、「なにも怖いものはなしだ!」とまっ白なソックスを履いたまま、点滴をしながら、足をブランブランしながら、前の方の手術が終わるのを待つ。圧のかかったソックスのせいで、足が細くてとっても嬉しい(笑)。


・・・・・・・がっ、この後、ついに手術室に呼ばれ、瞬間、極度に緊張!牢屋に送り込まれる囚人の気分になる。それで、足が細いとか喜んでいる場合じゃなくなる(笑)。


看護婦さんと手術室に入室。

すると、手術部担当の皆さんがにこにこ「ようこそ!」みたいな雰囲気で迎えてくれた。驚くことに皆女性である。麻酔科の先生も女性。気着心地のよい、音楽もかかっている。手術と言ったら、冷たい手術台に上って、感情のない言葉が交わされて・・・・というイメージだったけれど、皆優しく、触れる手も作業の一つ一つも、実に気が使われていて、患者さんを大切にしている様子が伝わってくる。それで、一気に、和む。怖くなかった。


背中に麻酔のチューブを挿入。

その後、酸素吸入器が口元にあてられ、出てくる麻酔のために、私は一気に眠りに・・・・・。


全身麻酔の間に、人間は寝言を言ったりするものなのかわからないけど、次に気がついた時には、もう手術が終わっていた。


でも、自分がどこにいるか不明。手術室?ケア・ルーム?

誰かが何かを言っているけれど、誰か不明・・・・。


ようやく聞きとれたのが、母の「じゃあ、帰るからね」と、先生の「手術は正常に終了したからね」という二つ。

あとは、抜けきっていない麻酔のせいで、ぼんやり。


痛みは感じないけど、とにかく、寒くて体が震えているのがわかる。とっても寒いので、「寒いっ」と言い続け、足に湯たんぽを入れてもらう。熱が一気に上がったようだった。


でも、湯たんぽが入ると、寒いと思いつつも、そのまままた眠りに突入。

こんな時は、とにかく、寝てしまって、あまり意識がない方が幸せだ。抜け切れていない麻酔に感謝。


夜中、しょっちゅう看護婦さんに体温と血圧を指先の酸素濃度をチェックされたときだけ、うっすらと覚醒し、そのまま朝まで熟睡。


そんな手術当日の入院2日目、終了。

もちろん、写真なんて、とれる状態になし。