プノンペン市の開発予定。 | カンボジア的スローライフ

カンボジア的スローライフ

スローダウンしてみると見えてくるものがある。ありふれた日常のささやかな出来事。人生って、そんなささやかな暮らしの一つ一つが集まったもの。だから、その一つ一つを大切に暮らすことができたらいい。マンゴーがたわわに実る国、カンボジアからの発信。

在、プノンペン市は、さらに5つの橋を市内に建設する予定であるそうだ。そのうち2つはモニヴォン橋の南側。ひとつはクバール・トゥナル市場の辺りで、モニヴォン橋に沿ってバサック川を渡って国道1号線に向かおうとするところで、もう一箇所は検討中だそうだ。そして残りの3つの橋は通称日本橋と言われるチュロイ・チョンヴァー橋の北側。一箇所は現在基柱のための掘削中であるプレイク・プノウ地区、残りの二つは現在検討中だそうだ。
 橋の建設は国が請け負う能力はないので、民間に依頼。入札期間もすでに終了しているとのこと。橋の建設には、現在そこに暮らす住人との土地問題と経済的な面に関する話し合いが必要であるため、今後も調査や検討を重ねていくらしい。この橋の建設の目的は、橋のたもとに発生している交通渋滞を緩和するための対策だそうだ。

  さらにプノンペン市長によると、新しい市の開発の一環として、ペン婦人の公園の建設を作ろうという案があるそうだ。ペン婦人は、プノンペンの名前にも由来している首都所縁の人物である。プノンペンは誕生から570年を経た歴史ある街であるにもかかわらず、不幸にもポルポト時代という時代にはゴースト・タウン化し、一時期都市としての発展も衰退せざるを得ない運命を背負った。現在は、その不幸な歴史から立ち直り復興に向けて日に日に進歩しているカンボジアが誇るこの首都プノンペンにふさわしい観光地を作ろうということがことの発端だそうだ。そこには、このプノンペンの発祥の歴史を示すべく、ペン婦人の肖像を設置しようじゃないか、ということになったらしい。
 また、そこにはカンボジアの偉大なる僧侶チューン・ナット氏の肖像と偉大なる詩人クロム・ゴイ氏の肖像も予定されているという。チューン・ナット僧侶はカンボジアの国語辞典を作った方である。クロム・ゴイ氏は詩人であったというのみではなく、後世のカンボジア人たちに残すべきカンボジアの教えを説いた偉人として、その命は終っていても、今なおカンボジア人の心に魂を残したと言われている。二人とも国文学界の偉人である。

  プノンペン市開発と言えば、プノンペン市拡大の予定もある。プノンペンを取り巻くようにして存在するカンダール州のうち27コミューンをプノンペンに組み込もうという案だ。その目的は、首都の人口と輸送手段の増加を支えるためであり、さらにフンセン首相の発言によれば、地上高架橋や地下道の建設の可能性を考えての案であり、すでにその筋の技術者などが調査にあたっているそうだ。

 この現在の首都の発展計画を聞いて、ある国民は、「現在どんどん発展が進み、市内は舗装されていない道が減ってきた。しかし、舗装された道はまもなくしてすぐに壊れてきてしまう。請負業者が儲けを出すために市との契約を裏切って手抜き工事をしているからだ。」と言う。また、現在の本当の重要な問題は、増え続ける喫茶店で将来を担うべき学生や若者達がおしゃべりに現を抜かし、勉学を疎かにしているだけなく、そこで悪い行為をしている、そんなことに対する対策がされないことである、という意見もあるようだ。

 参考資料:マガジン「プロチエプライ」354号(2006年7月11-20日)