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A Day Of My Experiences

どうも管理人のくまもんです。

急な思いつきで始めたブログですがよろしければ

ごゆるりと私のグダグダな日記をご閲覧下さい。

要望等御座いましたら遠慮なくコメント欄でお呼

び頂ければご返信いたします。

ある朝。お嬢様の朝食を準備し、お嬢様を御呼びした。そこまではいつもとなんらかわらない。

普通の生活。今日もまたそんな普通で良い生活が続くはずだった。だがそれは起こってしまったのだ

突然の「電話」。俺が2年前この家の執事を始めてかつて一度も掛からなかった電話。なぜなら野暮

用であれば本社の受付に繋がるはずなのだが、よほどの案件。しかも旦那様の耳に入れたくない時の

みこの電話はなる。家族に無用な心配を掛けたくないという旦那様の優しい心遣いである。

よってこの家に掛かってくる電話はよほど、珍しく...かつ重要な事なのである。だから俺も自然と受

話器を持つ手が震える。だが取らなければ社長室に行ってしまうため、旦那様の耳まで届いてしまう

俺は意を決して握っていた受話器を上げ、耳元に寄せた。

ガチャ

「もしもし。碌寺です」

「ほう、其の声は良樹かね...。」

「た、大蛇! ....なぜお前がここに電話を...」

「やはり良樹か。まぁいい。俺は親切にもある予言を教えようと思ってな」

「予言...どうせまた茶番だろ?もう信じないよ」

 「六が現実世界に戻ってきた。そして、姫子と接触をはかろうとしている」

俺の中の平衡感覚が崩れ、うまく立つ事が出来ない...。

思い浮かぶことは...ちょうど一年前にさかのぼる。

俺が見習いの研修を終わらせた頃だ。

その日。俺のほかに家にお嬢様しかいらっしゃらず久々に執務が何も無いため俺は寝る事にした。

ちょうど寝かけた時、俺は清水さんに起こされた

「藍禅。あなたに電話よ」

「私にですか...?わかりましたここにつなげてください」

「はい。どうぞ、そして私は久々にオフだから何かあったら私の携帯に連絡してね」

「はい、分りました。それでは良い休日を」

俺は扉が閉じられると同時に保留にしてた通話を有効にし、受話器を耳に当てた。

「はい、もしもし。藍禅です」

「君が、藍禅 良樹君だね?」

「はい。私に何か御用でもおありで?」

「まぁ、いろいろ積もる話もある...。一つずつ消化して行こうか」

こいつの話を軽くまとめるとこうだ。

①姫子には閃光と暗闇事件の根本を幼少期に体験している

②この電話の男の名前は大蛇といい、桐生とこの世界で最後に会話をしている。

③あるものの存在を知っている(よもや作った?)

この三点である。

この会話の中で一番気になった事。それは、お嬢様と事件の関係である。大蛇によると、お嬢様は

8歳の頃に急に昏倒し、一ヶ月意識が戻らなかったという。その事件を皮切りに世界各地で同様の事

件が発生し始めたという。これを偶然と捉えるには些か状況的に言いがたいところがある。それに

大蛇は、その「ここ」にはない世界。つまり閃光と暗闇事件によって昏倒した人々の意識を収容して

いる所を『想像』したと言っている。始めは詭弁であると思ったが、旦那様の会社のエンジニアであ

った彼の技術は本物と認めざるをえないだろう。これで、旦那様が俺をあの世界につれて行く事が

可能であった事が説明が行く。もしお嬢様の昏倒が、必然であったとすれば...やはり疑いたくはない

が旦那様の会社がこの事件に関わったことを視野に入れなければいけない。

次に「ある物」の存在を知っているということ。この存在は俺と旦那様、桐生しか知らない。そう

思い込んでいた。だが、考えてみれば「ある物」。この世界に存在しない世界とこの世界をつなげる

役目を持つとすれば...それは開発者が存在することになる。俺の持論では、この事件は旦那様の会社

が関連している。

...とすれば開発したのは必然的に会社内部の者。

そう考えれば、出来る者は一人しかいない。

...そう。大蛇である。

そうであれば、俺はこの男大蛇にコンタクトを取らなければいけないだろう。

しかも彼の言った最後の言葉「俺は、君を応援しているよ」

この言葉は自分の持論を肯定しているように聞こえる。

...しかしこの電話以来大蛇からの接触は無かった。

まぁ俺がなぜあのように邪険に接しているのかというと理由は簡単。

「奇怪な世界」を作り出した人間である可能性が高いから。

大抵の人間はそう思うであろう。俺は大衆論を用いたくないのであるが

「憎むべきは世界でなく原因」である。俺に取って其の原因は「大蛇」である可能性が高いのだ。

幼いとは思うがやはり、そう思ってしまうのは人間というところか...。

そんな多くの謎を抱えた彼が今度は予言を残した。俺はそれを信じる必要性は無いのだが、どうして

も信憑性があり、信用したくなるのである。

.........。

「なぜ...なぜそんなことが言えるんだ?第一桐生は空間に縛られているはずだそんなことはありえない」

「ほう。旦那さんは良樹にそこまで教えたのか...。まぁいい。 じゃあこうしよう。「其の世界」を想像した人間がある人間の意識束縛を解除したとしたら...?」

「そんな....やはり大蛇、お前が....」

「うーむそうであるとも言えるしそうでもないともいえるな」

俺は...薄れかける意識にむち打ちながら...必死に状況を考えた....

【#25 良樹の今に続く】