煙草を吸うなとあなたに言った
俺の右手にはラッキーストライクが死んで行く途中で
自分を守るために笑った

ベランダの風はとても冷たい
星の無い静かな夜に
知らない誰かの叫び声だけが
音も無く響いていた

通りすぎてゆく人々はここからどこへ向かうのだろう
人間らしい生活を続けるんだろう
一体それは何なのだろう
今日もただ独り
俺はただ独りで

生まれたあの日から
意識の中だけで全てが動いてゆくようになった
それだけでいいのだろうか
携帯電話を胸ポケットから取り出し 更新日記を食いあさってみたけれど
2,3分でログアウトするような
そんな人生にはなりたくないと思っただけだった


こんなくだらねえ詩を書いてしまう俺は
煙草を口にくわえていた
愛する人に促された「妥協」という言葉に火を灯してしまわぬよう
それなりに生きたいと願った

自分の弱さも 救いようのない欲望も
人間らしく生きていくために必要なもので
ただそこにある使い捨てのコンドームよりは
美しく思えた
傷を作った
手を伸ばすけれど
黒からグレーに変わり
それも無くなる

失ってしまった
涙がこぼれないな
おかしいと気づく時
必然だとも言う


偶然でパズルをする
この美しくて儚い世界に
色をつけたがる
カンナが花を咲かせる空で
ちょうど世界が終わった

世界からの逃亡
それだけを望み
動けずにいる
誰かが逃げ道を塞いでいて
(そして当然それは俺で)
動けずに笑う
けれど俺には顔が無い
笑う顔が無いことに笑いが出る
その笑う顔は誰のものだろう
壊れているのは誰だろう
どうでもよくなって酒に溺れ

今日もまた寝る
洗濯してから数時間がたって
洗濯機の蓋を開ける
嫌な匂いで埋め尽くされる
その洗濯ものを干してから
どこかで外泊
翌日に雨が降りはじめ
傘がない俺は帰れないから
長居してしまう
そして二人の愛が温まり始めた頃に
ちょうどよく雨が止む
けれど今日は帰らなくてもいいや
そんな気分になってしまっていて
行為の後に近くのファミレスで食事をした
ほら僕らこうやって忘れながら生きていく
このフレーズ誰のだっけと
それは俺が今考えたものだったりする
くだらないこと言うまいと煙草をくわえ
その煙越しに浮かんだ
一緒にテレビを見て
ソファーで膝を抱えて笑う
昨日の俺とお前
春が来て風が吹いて
破れたスカートの傷口から見える
夜の闇が眩しくってさ
目の中にゴミが入ったんだって
ありきたりな嘘をついてみた