しばらくして義母が

ふと思い出したように



おばあちゃん○○は高校

どこに行ったんやろか?


と言った。







このタイミングで

前妻さんとの子どもの進路の話題を

出せる義母の頭の中が

私はますます理解できなかった。






前妻さんが再婚した後

元夫婦間で話し合いをし

Tくんからは

子どもと連絡を取ることができなくなった為

表面には出さないけれど

Tくんが子どものことを心配しているのは

よくわかる。








だからSNSに疎いTくんの代わりに

前妻さんのSNSをたまに見ていた私。







結婚当時は育児放棄していたという

前妻さんの話を聞いているだけに

ちゃんとご飯食べてるのか

学校には行けてるのか

私も1人の母親として知らん顔できず

時々覗いてみて

たまーに投稿されている子どもの様子を

Tくんに伝えていた。









Tくんからその話を聞いている義両親は

何かにつけて向こうの孫の様子を聞いてくる。








これだけ罵っておいて

平然と

前妻さんとの子どもの話を出し

悪びれることもなく聞いてくる義母。







前妻さんのSNSなんて

正直覗きたくはないけれど

子供を心配するTくんのためと思い

私も割り切っているのだ。









ただこの期に及んでも

向こうの孫の話を出してきて

どこの高校に行ったのかと

この空気の中で言う無神経さ。









やっぱり血の繋がった孫のことは

気になって仕方ないらしい。









それは理解できるけど

あえて私や子供達のいる前で

その話題を出さなくてもいいよね

と常々思っていたけれど

結婚してから6年

ずっと我慢していた。










リィの高校進学の話題は出さないくせに。










少し前にSNSをチェックしていた私は

その子が中学で体調を崩したため

全日制高校への進学を諦め

定時制に進学したという投稿を見ており

それをTくんにも伝えていたので

義両親にもTくんがそのまま伝えた。











みるみる顔がこわばっていく義母。









すると急に焦りまくった声で





おばあちゃんかわいそうに!


そりゃ体調が悪いなら

仕方ないわ!



無理やわ!!



かわいそうに、○○!








とそこにはいない孫を異常なテンションで

かばいまくる義母。








私と子供達は

そんな義母の様子のおかしさに

呆気にとられていた。








自分達の子供は幼稚園から附属に入れ

公務員になるようにレールを敷き

学歴重視ガチガチ頭の義母が

自分の孫となると

そんなにも変わるのかと驚いた。








でもあの義母の表情から察するに

うちの子たちと比べたかったんだと思う。







負けず嫌いの義母のことだから

悔し紛れに言ったのだとピンと来た。






ほんとは

うちの子達よりレベルの高い高校を

期待してたんだと思う。







おじいちゃん定時制は

入ってから普通の方(全日制)に

変われんのか?







と質問をしてくる義父。








それができたらそもそも受験の意味が無いし

全日制を落ちた子もいるのに

普通に考えて無理だろうと言ったTくんに







おばあちゃんあの女のせいで

子供がめちゃくちゃや!!





髪を振り乱して言う義母。








あぁ、この人達は何年経っても

自分達の言動を振り返り

反省したりすることもなく

自分らのガチガチの価値観でしか

人を見れない哀れな人達なんだ。







一度憎いと思ったら

前妻さんのように

私のこともずっと

罵って生きていくんだろうな

とふと思った。









そもそも

定時制に行く子には色々な

事情があると思うし

定時制には定時制の良さがある。







働きながら学校に通って

何が悪い?







不自然に取り繕った言葉じゃなく

素直に進学できたことを

喜んであげればいいのに。








私の心の中は

軽蔑する気持ちでいっぱいだった。






言いたい放題わめき散らし

孫の進路を聞いたかと思えば

また冷たい表情でこっちを見る義両親。








私はただじっとその場に

置物のようにいるしかなかった。






ふとうちの子達を見て


おばあちゃん大人の話なんて

聞きたくないやろ?

なぁ?


なんて笑顔で言ってる。






もちろん子供たちにも

お茶も出ないし

1時間以上怒鳴りまくり

私達のことは

完全に招かざる客だったのだろう。







話は通じないし

いたたまれない様子の私を察した

Tくんに促され帰ることにした。







帰りは玄関まで着いてきた義母。







だけど

挨拶しようと思って私が

義母の方を見ても無視。







お邪魔しました

と言った私の声は





あんた!

また出張行くんやろ?

気をつけてな!






息子を見送ろうとする義母の大声で

かき消された。







正直

もっと早く帰りたかった。






車に乗ってやっと

私はまともに息をすることができたのだった。