夢の逢ひは 苦しかりけり 覚きて かき探れども 手にも触れねば

 

いめのあひは くるしかりけり おどろきて かきさぐれども てにもふれねば

 

 

 

 

来むといふも 来ぬ時あるを 来じといふを 来むとは待たじ 来じといふものを

 

こむといふも こぬときあるを こじといふを こむとはまたじ こじといふものを

 

 

 

 

人もなき 空しき家は 草枕 旅にまさりて 苦しかりけり

 

ひともなき むなしきいへは くさまくら たびにまさりて くるしかりけり

 

 

 

 

ももづたふ 磐余の池に 鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠りなむ

 

ももづたふ いはれのいけに なくかもを けふのみみてや くもがくりなむ

 

 

 

 

賢しみと 物いふよりは 酒飲みて 酔泣きするし まさりたるらし

 

さかしみと ものいふよりは さけのみて えひなきするし まさりたるらし