親の介護をしていると、たまに笑えることがあります。
先日、父が「床屋に行きたい」と言い出しました。
認知症の症状が進んでも、身だしなみは気にします。
父がサラリーマンだった頃から、
出勤時には髪をとかし、
ネクタイの位置を気にし、
靴はピカピカ。
その癖というか、習慣は認知症になっても忘れないようで、
いまだに同じような行動をします。
そんなことだから、髪の毛が伸びたことが気になるようです。
床屋に連れて行こうと思ったら、
母は「一人で行かせればいいよ」と。
床屋代を渡して、父に「行っておいで」と。
身支度を整え、いざ床屋へ!
と、5分もしないうちに戻ってきました。
財布がないと大騒ぎ。
母が「バックの中をよく見てごらん」
父は「あった!」
そして20分もしないうちに戻ってきました。
母が「床屋に行かなかったの?」と尋ねると、
父は「予約してきた。5時半だよ」と答えました。
駅前にあるQBハウスまで、父の足では20分以上かかるはず。
それに予約なんて出来るはずもない。
どこの床屋だ?????
母が根掘り葉掘り聞いてみると、
駅前に行く途中に美容院があり、
どうやらどの美容院に入ってしまったようだ。
予約したのも怪しく、今日の床屋は中止にしました。
父は、床屋へ行く途中に床屋の場所がわからなくなり、
そんなところに、たまたまあった美容院を床屋と思い、
入って行ってしまったのではないだろうか。
それにしても20代の方が行くような煌びやかに見えるお店に、
よくも突入できたものだ。
そして、そんな父の対応をどのようしたかはわからないが、
適度に対応してくれた店員さんにありがとう!と言いたい。
きっとびっくりしただろう。
家についた父のその後は、床屋に行きたいと言っていたことをすっかり忘れている。
さて、いつ連れて行こうか。
ゴールデンウィークの予定として「父を床屋へ連れていく」と、
カレンダーに登録しておこう。