"全部を満たす訳じゃないけれど

この部分だけは

この人が確実に

満たしてくれるという人が

無数にいてこその

人生です。"

吉本ばなな

"いつも密着している友だちは、

決裂すると傷も深い。

オール・オア・ナッシングの関係だから、

別の人にごそっと入れ替わりもする。

逆に、私をある部分で満たしてくれる人には

代わりがないと、作家は言う。

この交わりの中で、

私の弱みと強み、

自分の輪郭も見えてきたのだから。

「小説トリッパー」昨年(2016年)冬号での

語り風の随筆から。"


鷲田清一(2017).朝日新聞 折々のことば




これは

義母が私にくれた新聞の切り抜きの記事です。

今、私は魔法の夢ノート®︎のサロンを作るべく

以前の住まいだったマンションの一室を

片付けているのですが

その最中に、昔の手帳から偶然見つけました。



義母が私に必要だと思ったことばだったのでしょう。

私はこれまで

親友と呼べる友人が何人かいました。

しかし、そのほとんどの友人と今は

付き合いがありません。

そのことは私にとってひとつの

コンプレックスでもありました。



今だに

幼稚園時代からの親友や

高校時代の親友と

付き合いが続いている主人を見ると

羨ましく思います。



振り返ってみると

私が相手を傷付けて嫌われてしまったケースもあるし

相手の言動に傷付き、私から離れてしまったケースもあります。

そしてその友人たちを思い浮かべる度に

自分を責め、相手を責めていました。

そんな話を

いつか義母にしたことがあったのです。




「オール・オア・ナッシングの関係」

何だかとても危うい関係だなと

このことばから感じます。

人は、もちろん私を含め

完璧な人はいないし

完璧ではないからこそ

その人の魅力が引き立つのかなと思います。

そして各々の凸と凹が

うまくハマるから「オール」の関係と

感じるほど仲良くなれるのでしょうね。

それを私は相手にも自分にも完璧を求めて

「ナッシング」を選んだのです。



…この切り抜きをもらった当時は

まだその意味を受け止めきれない私がいました。

でも今はこのことばの意味や

義母の気持ちがよく分かります。



仲良くしていた人と

縁が切れてしまうのは寂しいけれど

きっとその人はその時

私にとって

必要な出会いだったのだと

今は思えます。

その時に私と仲良くしてくれた

力になってくれた

頼ってくれた

その思い出があるだけで十分です。

一緒に過ごせた時間に

感謝するだけです。

ありがとう!本当にありがとう!!



私自身

魔法の夢ノート®︎に出会ったことによって

自分と向き合う時間が増えました。

そしてそこから広がった

人との出会いから

「自分の輪郭」

というものがおぼろげながら

見えてきたような気がします。



私は文章を書くのは嫌いではないのですが

ボキャブラリーが少なくて

うまく表現できない時があります。

でもこうして

誰かが書いてくれたことばに

モヤモヤが晴れたり

心が軽くなることがありますニコニコ



時間を経て

私の前に現れてくれたこのことばたちに

切り抜きを渡してくれた義母に

そしてそのときどきに

仲良くしてくれた親友たちに

ありがとうの気持ちですニコニコ