そろそろ、また創作意欲が湧いてきました。

秋が深まり、すぐそこには冬の足音さえ聞こえてきます。

小春日和は束の間。

凪いだ空気を蹴散らすかのような北よりの風。

 

そうなってくると、無意識に切なさが居心地の悪さを掻き立てるように、何かをする際に必ず影のように貼りついてきます。

ま、そうなってくると、また書きたくなってしまいます。

 

プロでもなく、ただ趣味のようなもの。

初めて書籍として出版したのが『オール・オブ・ミー、オール・オブ・ユー』。

2016年の12月。

もう、7年前のこと。

ま、ね、趣味の域からは脱しませんが……。

ホホホ。

 

 

いろんな本を読みましたが、今の私のいちばんのお気に入りは小川洋子著『博士の愛した数式』です。

 

切なさや儚さが、全体を優しく覆う空気感がとても好きです。

小さな粒が散らばらないように包み込むオブラートのように……。

 

これは、ラジオドラマでも持っていますし、DVDも持っています。

どれも、内容が少し変わっていて、そのあたりが興味深いところです。

 

小説を読んでいくうちに、登場人物が脳内で具現化し体温を持って動き出します。

つぎに、聴覚による印象の印象のギャップの溝に少し足を滑らせます。

そして、仕上げに視覚的に全体像を把握することで、そのギャップによる錯覚は心地よい安堵感となって胸に満ちてきます。

 

小説の面白さは、読む人の数だけ登場人物の人物像がありますね。

そこのところがいちばん面白いのではないですかね。

 

博士は、まっすぐな感じの人。

ゆえに、子供っぽさを引きずっている感じ。

未亡人は、常識を踏まえつつも、好奇心が時には上回ることがある人。

わたし=家政婦は、律儀であり、愛情深い人。

 

しっかりとしたスイッチが入るまでは、また『博士の愛した数式』のラジオドラマを聞いてみようと思います。

 

 

今、事務所では『Bad Benson』を流しています。

何ゆえBadなのかはわかりませんが、ま、ボーカルなし、と言うところですかね。

この頃は、もう歌も歌っていたでしょうから。

デビューした頃のコロンビアでのジョージ・ベンソンが好きですが、CTIでのこのあたりのアルバムもお気に入りです。

『Summer Wishes, Winter Dream』なんて、イメージ的には、暖炉の前でロッキンチェアに身を委ねて聴いている感じです。

おススメの1枚です。