三浦しをんさんの「むかしのはなし」を読み終わりました


読み始めは、1つ1つのお話が独立した短編集なのかな?と思っていましたが、だんだんとお話が進んでいくうちにリンクしているのがわかります

かぐや姫や桃太郎など、小さい頃に読んだり聞いたりした昔話がベースで1つ1つのお話が語られていきます

単なる昔話をなぞったお話ではなく、現代風にそしてしをんさん独特の世界で語られています


「生きるとは」ということが作品の根底にあると思うのですが、1つ1つのお話を読みながら私なら、この時私ならどう生きるだろう?と考えずにはいられなくなりました


冒頭の言葉「私を記憶する人はだれもいない。~中略~あとはただ、ゆっくりと忘れさられていくだけの。」

全て読み終わった後に、この冒頭の言葉を読み返すと全てのものが愛おしく、そして切なく思えてきました


しをんさんの「風強」や「月魚」もちろんエッセイも大好きですが、この1冊も大好きな作品の1つになりました


もっともっとしをんさんの作品を読んでみたいと思わせる作品だと思います



むかしのはなし (幻冬舎文庫)/三浦 しをん

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