チャイムFAN -5ページ目

チャイムFAN

チャイムって良いですね~

いつも行くドラッグストアの店員に、私がひそかに「あわてんぼうおばさん」と呼んでいる人がいます。


去年の春ごろでした。

いつものように買い物して、レジへ。店はすいていて、レジ前には誰も並んでいない状態でした。


したがって店員も1人で対応しています。

40代後半くらいの、痩せた上品な感じの女性です。

私がレジカウンターに籠を乗せると、その店員は、レジ打ちを始めたのですが、それがなんともあわただしい。誰も並んでいないのになんでそんなに、と思うほど慌ててるのです。


「見慣れない顔だな、きっと新しい人で慣れてないから、緊張して急いでしまうんだろう」と解釈しました。

ところがこの店員、それから何か月たっても、慌てぶりが改まらないのです。


初めのうちは「そんなにあわてないで、普通にやれないのかな。

こっちま何だか急かされるみたいで、緊張するじゃないか」と思っていたのですが、それがだんだん面白くなってきました。


店に入ってそのおばさんがレジにいると、「あ、いたいた」とほくそ笑み、予定よりも多くの買い物をしてしまいます。

レジの楽しみを少しでも増やそうという、いたずら心からです。暮れに買いものしたとき、さすがに店は混んでいて、レジも2人で対応していました。そのうちの1人がそのおばさんです。


列に並びながら、「あわてんぼうさんにあたるといいな」と思っていました。その思いが通じて、彼女のレジに。例によって「慌てて、焦って、じゃじゃじゃじゃじゃーん」みたいな忙しレジ打ち。


その合間に私にポイントカードを返そうとして、よほど焦ったのか、カードを放り投げるみたいになってしまったのです。カードは私の手を逸れ、私の後ろに飛んでいきました。

おばさんは大慌て「ごめんなさいすいませんすいません」。


私は「だいじょぶですよ」と床に落ちたカードを拾ったのですが、なんだかかわいそうになってしまいました。彼女はそういう性分なのでしょう。ですから、慣れてゆっくりになるということには、おそらく今後もならないのだと思います。


いい人なんだろうなと思います。彼女の、ひそかなファンです。


小熊