はじめまして。2012年度新卒入社、GIRL'S TALKでWEBデザイナーをしています、もりた と申します。
以前、社内の取り組みで、弊社の未来を切り開くデザイナーを発掘するためのコンペ「YDC」(ヤング デザイン コンペディション)を開催しました。

社内でも盛り上がりをみせた企画で、私も運営にあたるサイトを制作する機会に恵まれたこともあり、弊社が抱える課題からコンペを通してデザインで解決する過程を執筆させていただきたいと思います。

デザイナー以外の方にも読みやすいように、インタビュー形式風にまとめてみました。デザインのいろはよりも、若手がチャンスを掴める体験事例とヒントをいくつかお伝えできるはずです。

インハウスデザイナーを抱えている企業の方々に通じるところもあると思いますので、最後までお付き合いください。


1. 現場の声に耳を傾けてみる。

ーYDCを開催したきっかけってなんですか?ー
(もりた:以下省略)弊社は何でもチャレンジさせてくれる会社なのですが、内製で1つのサービスを担当すると半年から2年ほど、同じターゲットユーザー•コンセプトのデザインを作り続ける現状があります。

常にユーザビリティを捉え、ブラッシュアップし、デザインでコミットできるメリットもあれば、異なる側面に、デザイナーの生み出すものに偏りが出るといった課題があります。
例えば、ターゲット層がアラサー女子系なのか、シティボーイ系が好むデザインなのか、一つのジャンルにこだわることなく、時に頭を切り替えて様々なデザインをアウトプットしたいな、と私も思うことがありました。 そこで、実務作業以外で手を動かすチャンスと、名前を売り込むきっかけを、弊社若手デザイナーに与える役割として生まれたのが「YDC」です。

ー名前を売り込めるようなチャンスもあったんですか?ー
社員にとって半期に一度の大舞台である総会で優秀作品を発表し、選ばれたデザイナーは舞台の上で眩しいスポットライトの光があたるラストが用意されることになりました。

今回はタイミングが良く、弊社の新しいロゴを提案してくださったNIGOさんからトロフィーの贈呈もあり、とても華やかでした。ここでは、多くの人に若手の成果が伝わることが大切だと思っていますので、皆さんの会社環境にあった形を選んでいただければと思います。


総会での表彰式

2. 社内の課題をポジティブに変えるチャンスに若手を抜擢する。

ーコンペのお題は何が出されたんですか?ー
第一回目のお題は下記の4つに決まり、入社3年目までの新卒•中途採用のデザイナーが募集期間中にwebサイトから投稿出来るような仕組みを作りました。


YDCのお題

ー内製だからこそ出せるお題ですね…ー
皆さんの会社でも「うちは、B to Bだからちょっと課題出すのは難しいね。」なんて意見もあるかもしれませんが、デザインできる場所なんて探せばいくらでもあります。
お客さんが来られた時のサイン設計など、「ここにはお手洗い、左に曲がれば喫煙室があるのね。」なんて一目で分かったりすれば、社外の方からも好感がもたれます。
「それがうちの社内の子が考えたものなんですよ。」なんていう話が進めばより話も膨らむと思いますよ。今回の課題も、デザインが古いな、と感じていたけれど更新されずにいたもので、既にあるものをより良くするためのリデザインです。

是非、社内の課題と若手の欲求を組み合わせて、全社がより良い方向に向くような課題解決策を見つけてみるのはどうでしょうか。


3. ゴールを決めて、制約をつくる。

ー目的が決まれば、あとは手段ですね。ー
今回は第一回目ということもあって、社員への認知を深める場面を多く作りました。


YDCの流れ

ー投稿サイトの構成、デザイン、ディレクションまで担当されたと聞きましたが、いかがでしたか?ー
制作時間にも限りがあり、「自由にやってみて!」と先輩から
依頼を頂いたので、自分で制約を決めていきました。「投稿された作品の善し悪しを、素直に社員が評価できる枠を提供すること。」ここに明確なポイントを当ててゴールを決めれたことで、構成からディテールまで速やかに詰める作業が出来ました。


作品一覧ページ。ひと目で作品のイメージが湧くように画像サイズは、大きく表示。


ー優秀賞作品を選ぶ評価方法が少し変わっていた、と聞きましたがー
多くの人を巻き込んだコンペにしたかったので、投稿された作品は全社員がサイト内で閲覧、無制限でLIKEボタンから投票できるようにしました。
もちろん、最終審査は、ベテラン格のデザイナーとNIGOさんが審査員として判断するといったものでした。

ーデザインにも影響した点はありましたか?ー
閲覧ページでは、各作品に投稿した人の名前が表示されず、LIKEした人の顔写真を表示する制約をつけました。投稿した人が分ってしまうと、内容よりも人のステイタスが前に位置づけられることがあるので、作品の善し悪しよりも人軸の評価でLIKEする人が出てくるんです。




作品一覧ページ。作品画像にmouse hoverするとLIKEボタン・LIKEした人・お題が表示。


これでは、作品を素直に評価できません。それに、「若手の発掘」を打ち出しているので、社内で顔が知られている、知られていないで票数の変動が大きく変わることはゴールから大きく外れるのです。

ーLIKEした人がわかるのはどうしてですか?ー

投稿促進の一環です。投稿した人にとって、作品だけで自分のことを評価してくれる嬉しさは、計り知れません。
社員の名前を見ても誰だかわからないこともあるんですが、
顔写真だと「あー、A部署にいるあの人からLIKEもらっちゃった!」といった喜びも感じるし、未だ投稿していないデザイナーにとって、
「B部署の人も見ているから、俺も出してみよう!」といったリアルな欲の部分でモチベーションをあげる事ができるものを残しておくべきだと思ったからです。


4. 私も成長できたYDC

ー最後にー
担当した時期は入社3年目の終盤を迎える頃で、内製馴れしている自分がいました。

普段であれば顔を見ながら口答説明だけで完結できるところも、今回は、社外のエンジニアの方とマンツーマンでやり取りしながらリリース作業を押し進めていくため、修正箇所がある度に、「どうしてこのアウトプットなのか」「どうしてこの動作が必要なのか」といった理由をメッ
セージツールを使って画像で説明するなど…

普段の仕事の進め方と違って、相手にどんな形で提示すれば、円滑に作業が進むか考えながらコミュニケーション力を鍛えることも出来ました。


左上から時計周りから、ソートメニュー表示の動作。ランキングアイコン表示の動作。投稿ページの動作。メニューリスト表示の動作。どれも伝えるのが至難 ;



実務作業以外でも、若手が成長できるきっかけとゴールが明確にあれば、新卒でも、私のような4年目でも伸びしろを伸ばす糸口が多くあることが分っていただけたかと思います。

是非、みなさまの会社でも若手の挑戦と成功体験を感じることができるチャンスを与えてあげてください。
長文におつきあい頂き、ありがとうございました。
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森田 彩花(もりた あやか)