その時は突然やってきました。
七月のある暑い日に、買い物に訪れた都内某所で、偶然夏祭りを開催していました。
家内が突然、「金魚すくい、あるかな!」以前から、機会があったらやってみたいと言っていた家内が目を輝かせて聞いてきました。
「こんだけ出店があるんだからあるだろ。」
しばらく回っているうちに、昔ながらのブリキと木で作られたプールにエアーだけで何の濾過もされない水に沢山の金魚たちが泳いでいるのを発見しました。
「あ!あった!やって良い?」
「良いけど、取ったやつはどうするの?」
「家に連れて帰る!」
家内は飽きっぽい性格で、とても面倒臭がりです。どうせ俺が面倒を見るハメになるんだろうな。そう思いつつも、「やりたいんでしょ?やれば。」と言いました。
何回もすくわないうちに、モナカはモロくも崩れてしまいました。
結局は、三匹の小赤と引き換えに、ヤンチャそうなアンチャンから一匹の綺麗な子と小赤を貰い、家内はとても満足気にしていました。
「さぁ、急いで水槽を用意して入れてあげなきゃね。帰りに近所のヤ◯ダ電機で買って帰ろう。」そう言って急いで帰路につき、店内を覗いてみると、ありました。ありました。
メダカ飼育セットと書かれたプラスチックの水槽と水中フィルターがセットになって2000円足らずの安いヤツを指差し、「こんなんで良いんじゃない?」と家内に言いました。「どうせすぐ飽きるんだから。」内心そう思って勧めたのです。
こうして、二匹の金魚達はわが家の住人として無事迎え入れられたのでした。
この時にはまだ、自分の中で芽生えている物に自身が気づいていませんでした。
