さて、この胸部刺激術とは脳のペースメーカーとも言われ、胸深部に脳へ電気刺激を送るための電極を埋め込む手術です。
刺激を発する電気のスイッチは患者自身でオンにしたりオフにしたりできます。
刺激を送るターゲットの座標は、CTやMRIで決められます。
パーキンソン病は特定疾患と認定されているので、手術自体は無料で受けることができますが、決して容易な手術ではありません。
手術で効果を得て病気の進行を戻す事ができる一方で、約4割の患者は副作用を生じています。
動かなくて困っていたものが動くようになり、それ以上に動いてしまうために転倒や転落といったケガをしてしまうことが多いのです。
そのほか、手術を受けた約1割の患者には合併症を発症しています。
そのうちの1%はそれにより死亡しています。
それでも、手術によりパーキンソン病の進行が和らぎ、すこしでも良い状態の生活を送ることができます。
その確率でいえば半分から6割なのですが、副作用を考えても体を動かせることはとてもおおきいことです。
パーキンソン病とつきあっていくなかで、自由で安定した生活を延ばすことができるのがこの手術です。
「パーキンソン病治療ガイドライン」にも詳しい掲載がありますが、「東海大学病院脳神経外科」のウェブサイトが分かりやすいです。
【関連サイト】
パーキンソン病の治療・症状110番
http://www.xn--nck6a6c3gb4c1033f.net/