ストリートでは昔から、
ドラッグのジャンルは大まかに、
①アッパー(楽しい、動ける、高揚)
②ダウナー(まったり、動けない、多幸)
③サイケ(幻覚)
の3種類である。
と言われてきました。
いつ頃からこう言われるようになったのか定かではありませんが、90年代の漫画にそんな説明があったのをうっすら覚えているので少なくとも40年くらいはそんな感じなのでしょうか。
(ご存知の方居ましたら是非教えてください)
残念ながらこの分類はちょっと説明不足でして、
上記アッパー、ダウナー、サイケはドラッグの「効果」の分類であって「物質のジャンル」とはまた別なんですね。
どういう事かと言いますと、
例えばメジコン。
外で元気に遊べる人もいれば、
動きづらくなって部屋でじっと音楽や映画を楽しむ人もいますね。
そして完全に自我を無くして幻覚の世界を楽しむ人も。
こうなると、
「じゃあメジコンのジャンルって結局アッパーなの?ダウナーなの?それともサイケなの?」
という疑問が湧いてきます。
メジコンは「Dissociative」
ディソシアティブ(解離剤)というジャンルの物質です。
そして物質のドース(量)とセット(精神状態)セッティング(外部環境)によってアッパーになるか、ダウナーになるか、サイケになるかという「効果のジャンル」が変わってきます。
まとめると以下の様になります。
[商品名]メジコン
[物質名]デキストロメトルファン
[物質分類] Dissociative(解離剤)
[効果分類] 低用量→アッパー
中用量→ダウナー
高用量→ダウナー+幻覚(サイケ)
[補足] セッティング(会話してる、身体を動かしている等)によっては高用量でも幻覚の世界へは行かない。
これに照らし合わせると身近なダウナーの代表格であるブロンはこんな感じになります。
[商品名]ブロン
[物質名]ジヒドロコデインリン酸塩
[物質分類] Depressants(抑制剤)
[効果分類] 低用量→アッパー
中用量→ダウナー
高用量→ダウナー
[補足] メチルエフェドリン、カフェインの効果で高用量では頭痛、吐き気、焦燥、不安等が出たりする。
ちなみに身近なアッパーの代表格である覚せい剤はこんな具合。
[商品名]ヒロポン
[物質名]メタンフェタミン
[物質分類] Stimulants(覚醒剤)
[効果分類] 低用量→アッパー
中用量→ダウナー後アッパー
高用量→ダウナー
[補足] 高用量では吐き気、動悸、高体温、稀に意識を失ったり狂ったりする。犯罪。
ではドラッグの「物質のジャンル」って何種類あるの?と言うとですね、
以下の様に10種類に分類されます。
・Stimulants
(スティミュランツ) / 精神刺激薬
シャブ、コンサ、カチノン、コカイン、カフェインetc
所謂「アッパー」
・Depressants
(デプレサンツ) / 抑制剤
酒、ベンゾ系、リリカ、ウット、オピオイド系etc
所謂「ダウナー」
・Psychedelics
(サイケデリクス) / 精神展開剤
LSD、DMT、シロシビン、メスカリンetc
所謂「サイケ」
MDMAはサイケに含まれる事もある。
・Empathogen
(エンパソジェン) / 共感剤
MDMA、メチロン、ベンゾフラン系
「共感剤」は私が勝手に訳したので正しい呼称では無い可能性大。
・Dissociatives
(ディソシアティブ) / 解離剤
ケタミン、メジコン(DXM)、PCP、メマンチンetc
抗鬱、抗不安、離人感、身体や精神が"自分"から離れるような解離感が特徴。
・Deliriants
(デリリアンツ) / せん妄剤
レタス、スコポラミン(アサガオ)、アトロピンetc
単に「幻覚剤」とも。
怖い系、キモい系の幻覚多め。
・Cannabinoids
(カンナビノイド) / 大麻とその類似物質
THC、CBD、その他の合成カンナビノイドetc
・Entheogens
(エンセオジェン) / 天然幻覚剤
キノコ、アヤワスカ、イボガ、アサガオetc
「Entheogens」特に儀式的な使用で使われる呼称でレクリエーショナルな使用とは区別される。
所謂「ナチュラル」
・Nootropics
(ニュートロピクス) / 向知性薬
モダフィニル、ピラセタム、ヌーペプトetc
・その他
ガランタミン、エーテル、ラッシュetc
この分類の中でもクロスオーバーする物は多くて、
例えばMDMAはサイケでありエンパソでもある。
メチロンはエンパソでありスティミュでもある。
エンセオジェンはサイケでありディソでもある。
等。
このように飽くまで「大まかな分類」です。
さて、
ここで冒頭「効果の分類」に話を戻しましょう。
このように各物質には「物質のジャンル」があり、物質を摂取した時にアッパーになる、ダウナーになる等の「効果のジャンル」とは別物である事がご理解頂けたと思います。
同時に物質の効果はアッパー、ダウナー、サイケの3種類では分類しきれない事も。
そこには解離、ホール、せん妄、無感情、抑うつ等も含まれます(飽くまでストリート的な分類ですが、こう分けていくとやはり10種類近くありそうですね)
とはいえ、私自身もシャブやコカイン等の物質を指してを「アッパー」と呼称したりします。
何だかんだ便利なんですよね笑
ですが呼び方のせいで物質と効果がごっちゃになって話がこんがらがる事は往々にしてあるので、特にあまり関係の深くない方と薬物について話す時はしっかり「スティミュ」「ディソ」など「何について話しているのか」を明確にするよう気を付けて行きたい所です。
まとめると
①アッパー、ダウナー、サイケは「効果」のジャンルであって物質の特性を表すものではない。
②「物質」のジャンルは大まかに10種類に分かれる。
③従って「効果」のジャンルもアッパー、ダウナー、サイケの3つだけでは分類しきれず、もっと細かい分類が必要。
④「効果」を決めるのは(物質×量)+(セット×セッティング)
と言う事でした。
因みにほぼ全ての物質は低用量でアッパーになり、高用量ではダウナーになります。
飲み会なんかはわかりやすいですね。
スタート〜序盤はアッパー、
終盤はデロデロのダウナー、
解散後は意識を失って日高屋でぶっ潰れてたりします(すみません気を付けます)
覚せい剤も同じで、入れすぎると全然動けなくなりますね。
冒頭で触れた通りメジコンも10発程度なら外で楽しく遊ぶ事が出来ます。
これを上記④に当てはめて考えると、
(メジ×10発)+(元気×友達と外遊び)=アッパー
という事になりますね。
これが20発になってくると解離が始まるので身体が動きずらくなり、従って外遊びには不向きになってきます(楽しいは楽しいけど場所によっては危ないですよね)
こういう場合は、
(メジ×20発)+(元気×友達と部屋で音楽)=ダウナー
に持って行く事が出来ます。
30発では完全に"あっち"に行けるので、安全な部屋でゆったりと楽しむ量ですが、そこに「友達と遊ばなきゃいけない」というタスクや、外の喧騒等の情報が入ってくると現実世界から離れられず、結果トリップ出来ない!なんて勿体ない事も起こります。
(メジ×30発)+(元気×部屋でソロ)=第4プラトー
個人的にはこんな風に持っていくのが好きです。
(耐性の変数は除外してます)
とまあ、ここまで長々書いてきましたが、
結局の所、物質もセットとセッティングも、その結果のトビも「好み」の問題なんです。
今は昔の話ですが、私も好みを見つけるまでは量やセッティングなんて考えもせず道端でブラックアウトしたり、ゲロ吐いてぶっ倒れたり、一日中笑い転げてたり、それで校長室に呼ばれたり、留置所入ったりしました。
そんな風に体当たりで暗中模索して行く内に、
「自分に合った使い方」や「好きな環境」がわかってきて「好みのトビ」を知る事が出来ました。
思い返せば無駄ばかりだったなあ…
当時ちゃんと情報を集めてそれなりの使い方が出来てたら高校3年間を「ヤク中」と呼ばれて過ごす事も無かったのでしょうか…
と、そんな思いでこの記事を書きました。
読者の皆様の安全の一助になれましたら幸いです。