査読付論文の作成には、年単位での時間を見込む必要があります。

執筆開始からジャーナル掲載までのおおまかな流れは次の通りです。時間はあくまで目安であり、社会人博士を念頭に置いた推定値です。

1.テーマの選定
研究の目的や背景の整理、既往研究のレビュー、ケーススタディの対象や研究方法の決定など。必要に応じて、指導教官への相談も必要となります。1ヶ月程度。

2.調査分析
必要な準備(有識者へのヒアリングであれば、アポイントを取る事から始める必要がありますので。)と、そこから得られた情報を分析し、まとめる。
場合によっては、再調査が必要になったり、テーマ自体の再考も必要になります。
1ヶ月程度。

3.論文化
投稿するジャーナルの体裁に合わせて、論文化します。研究の背景から分析結果まで、わかりやすく体系的に示します。何度も推敲と手直しを加え、査読に耐えるであろうレベルまで磨きます。指導教官が共著者になる場合は、当然に内容の確認が必要になりますし、この段階では、その道のプロである指導教官に頼る事が、最も効率的で生産的です。3ヶ月程度。


4.投稿→査読
必要な手続きを経て、論文を投稿します。
学会内で査読者が決められ、審査を受けます。査読には時間を要しますが、査読者の多くはボランティアであり、あまり強気な催促は避けるべきです。3ヶ月程度。

5.査読結果通知→再投稿→再査読
論文を投稿しても、一発採録となることは珍しく、大抵は修正依頼が戻ってきます。場合によっては、リジェクトを受ける事もあります。修正依頼やリジェクトは凹みますが、諦めずに修正し、査読回答書を添付して、再度投稿します。この段階でも、指導教官とは密に連携する必要があるでしょう。再調査や書き方の調整、論文構成の見直しが必要になります。2ヶ月程度。

6.採録決定→微修正→掲載
採録が決定すると、最終的な構成や掲載料の支払いを経て、査読論文の完成となります。1ヶ月程度

以上を単純に合計しても11ヶ月の時間を要する計算になりますし、再投稿で採録決定となるとは限らないので、再々投稿が必要になることもあります。

時間を浪費しないためには、各段階を短くするように努力することと、論文が自分の手を離れている時の過ごし方が重要になります。
例えば、査読中には、どうしても査読結果が気になってしまいますが、次の研究の構想を立てたり、既往研究を調べたりすると論文の生産力は向上します。