蝉の声で夏がきたことに気づく。



梅雨、終わっちゃったんだな…。



これから暑くなる。



ワタシはだんだん冷たくなってきてる。






梅雨がくる前、


保険会社に勤めてる新入社員さんが



ワタシを送ってくれた。






ワタシの家の近所まで



わざわざ迎えにきてくれた。





2人で会うのは初めてだから




なんか緊張してるみたいだった。






彼はワタシに彼氏がいること、




ワタシがふらふらした状態なこと、





全て知って、理解してくれてる。





それでもいいって言ってくれる。





よくわからない。





相談にのってくれて




適切なアドバイスをいつもくれる。





30分程しか話せなかったけど





楽しかった。









今日は、




織り姫と彦星の夫婦が




1年ぶりに再会できる日。




仕事が手につかなくなって




離れ離れにさせられた。




恋ってそんなものだよね。




そのことしか考えられなくなる。



その人のことしか見えなくなる。




そういうものだと思う。





少なくとも




ワタシにとってはそういうもの。





はじめて美容師さんと




デートした日、




夕方学校に迎えにきてくれた。




ワタシすごく緊張した。




思ってたよりも素敵だった。





こんな人と一緒にいられたら




幸せかもなって思った。




ペットショップに寄り道して、




仔犬を二人で見た。





無邪気に写真を撮ってる彼が




可愛かった。













目を醒ませ、ワタシ。





七夕の夜は、




一人の人を愛せますように。




ってお願いするの。







大丈夫なの?



ってみんな心配してくれる。



大丈夫だよ。



これがほんとのワタシなんだから。



無理してないよ。



みんながワタシを



イメージで理解してるだけだよ。



大丈夫なはずだったのに、




ワタシはいつの間にか




美容師さんに本気になってた。



薄々気づいてたよ。




そうなるんじゃないかって



思ってたよ。










嘘。








会った瞬間からわかってた。




はっきりと。







毎週月曜日は美容室が休み。




だけどワタシは授業があるし、



勉強熱心な彼は講習会に行く。



だいたい会えるのは




18時以降に少しだけ。




それでもワタシはよかった。




たぶんそれくらいがちょうどよかった。





特にたいしたことは話さない。




ワタシの頭を撫でて




ワタシの手を握って




ワタシに笑ってくれる。





それだけで終わらなきゃいけなかった。