二律背反する俺がいる。「ギャンブル」という、堕落した世界に没入する己と「一生懸命生きよう!」とする自分。はじめは「環境のせい」にしていたが、実のところは己の本能、自我に起因していることに気付く。世間一般にいわれるところの「中毒」というやつなのか、それとも逃れられない「性(さが)」なのか。当の俺に分かるはずもなく、ただ、癒しきれない「渇き」が今日も己を突き動かすのみ。

 


四国地方への出稼ぎ(住み込みのアルバイト)の面接があっさりと不合格。内心、自信満々だったのに。何かしらの縁(えん)、運命(さだめ)さえ感じていたのだが…。

 

それが脆くも崩れ去った。仕方がないから、友人のツテを頼りに「群馬行き(住み込みで仕事)」を決意するも…なんだか妙に気が重い。クズな俺は金もねぇのに、ツキ試し&人生試しで「最後の悪あがき」を試みる。

 

「俺」という人間に、もし何らかの使命があるのならば、一度でいい

 

群馬行きぐらいの資金を与えてくれ!

 

と、願いを込めた下らない勝負。まぁ、サクッと敗路を歩むことに。分かってはいても

 

やるせねぇ~&馬鹿くせぇ~

 

元々、ツキが希薄なのは自他ともに認めるところ。「こんなもんさ」って面もあるし、こんなギャンブルに人生を賭けること自体、自業自得だと、どこからか嘲笑の声が聞こえてきそうだ。

 

それでも俺は至って真面目だ。あの「」をキッカケを与えてくれた勝負。そして、冒頭にも挙げた己の中に住むもう一人の「自分」。多分、俺の人生は一生、どこまでいっても「勝負」からは逃れられないのだろうなぁ。

 

 

どんな形であれ、どのような状況であれ「勝負」を、あくなき「あてられた熱気」を常に渇望している俺が存在するんだ。生後間もなくより、住むこの「新宿」という欲望渦巻く街で育ったからなのか、それとも「血筋」に寄るものなのか、将又「カルマ」なのか…

 

理由はどうであれ、どうやら避けては通れない道であることには違いないようである。欲望はギリギリのラインを常時求めている。現在までは、もう一人の自分が「勝負を切望する自分」をどうにか抑え込み、一線だけは越えぬよう踏み留まられていたのだが…。

 

いわば現在までの俺は「真のギャンブラー」ではなかったということ。どこかで「リミッター」をかけていたのだ。それが最近では、その「リミッター」を疎んじているのも否めない。

 

ギリギリの狭間を歩きたい!

 

と熱望は増幅するばかり。

 

俺は怖い…そんな自分自身が。その先にある二つの答え。出来ることなら…いや、分かりはしない。「本当の自分」は、本心ではどちらを望んでいるのだろう。今はそれすら分からない。