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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0611X0W3A500C2000000/
【オマハ(ネブラスカ州)=竹内弘文】
著名投資家
ウォーレン・バフェット氏(94)は
2025年5月3日、
自身が率いる
投資会社バークシャー・ハザウェイの
年次株主総会の場で
最高経営責任者(CEO)の職から退く
考えを示した。
グレッグ・アベル副会長(62)を
2025年末に次期CEOとして昇格させる方向で
取締役会に提案するつもりだと明らかにした。
バフェット氏はCEO職を離れた後も
バークシャーに在籍すると説明した。
現在兼任する会長職を続けるかは
明らかにしなかった。
バフェット氏が
「バークシャー株を売るつもりはない」
と述べると、
会場に集った株主は
スタンディングオベーションで応じた。
バフェット氏は、
保険以外の事業を統括する
アベル氏を自身の後継者に指名していた。
最終的な投資判断の責任も
アベル氏が負うことになる。
個別銘柄の投資判断は、
すでに多くの公開株投資を担当している
トッド・コームズ氏(54)と
テッド・ウェシュラー氏(62)が
主導していくことになる見通しだ。
保険事業を担当する
アジット・ジェイン副会長(73)の
去就は明らかになっていない。
1965年にもともと紡績会社だった
バークシャー・ハザウェイの経営権を取得。
投資会社として転換して以来
60年にわたって同社を率いてきた。
株価は6万7000倍以上となり、
年平均の上昇率は約20%と、
主要な株価指数S&P500種株価指数
(約10%、配当込み)の2倍だ。
株式投資に関する深い洞察から
「オマハの賢人」として
世界の市場関係者から尊敬を集めてきた。
1988年に取得したコカ・コーラ株や
2016年に投資したアップル株のように、
ブランド力と容易にまねできない
事業モデルを兼ね備えた
上場株への投資を重ね、
上場株の保有額は
2025年3月末時点で
2637億ドル(約38兆円)に及ぶ。
保険や鉄道、エネルギー事業など
60社以上に及ぶ企業買収も実施し、
上場株投資との両輪で企業価値を高めてきた。
アベル氏は
バフェット氏が経営の一線を離れた後も
バークシャーの投資手法は
「まったく変わらない」と総会で述べた。
ただ、バークシャーの企業価値は
バフェット氏の投資に対する
信認に支えられてきた面は否定できない。
バフェット氏のいないバークシャーが
今後も同水準の評価を市場参加者から得られるかどうか、アベル氏の手腕が問われる。
https://youtu.be/u24fXfS4tZY?si=F7-yokdL_N9mszm2