「圧倒的人気は米国債」だが…ソフトバンク、三井住友FGなど気になる“国債超え債券”の利回りは?

https://l.smartnews.com/m-ewAus/GCswVt


「圧倒的人気は米国債」だが…ソフトバンク、三井住友FGなど気になる“国債超え債券”の利回りは?

世古口 俊介

世界の富裕層は

どんな商品に投資しているのでしょうか?


約20年間、国内外の富裕層の資産運営

を手がけてきた世古口俊介氏は、

「世界の富裕層にとって、もっともポピュラーな投資先が米ドル債券」といいます。


これまで第1回目、2回目で、

米ドル債券の魅力やリスクについて世古口氏に解説してもらいました。

今回は、富裕層に人気の具体的な銘柄を紹介します。(全3回の3回目)


●第1回:世界の富裕層が投資する「米ドル債券」…円高になりそうと思っても投資を検討すべき理由とは?


●第2回:投資元本がゼロになる可能性も…!? 「米ドル債券=安全性が高そう」の過信に潜む落とし穴


※本稿は、世古口俊介著『富裕層のための米ドル債券投資戦略』(総合法令出版)の一部を抜粋・再編集したものです。


米ドル債券の具体的な銘柄一例

本章の最後に実際に富裕層に人気の米ドル債券(米国債・普通社債)の具体的な銘柄の一例をご紹介します。

下図の銘柄リストは、

米国債・普通社債を合わせて7銘柄のリスト

にしています。


前述の発行体や

種類、残存期間、格付け、利率、価格、利回りなどの米ドル債券に投資するかを決めることに必要な情報

が記載されています。

証券会社は実際には100銘柄以上の債券を取り扱っていますが、富裕層が選びやすいようにニーズに合った債券だけをピックアップし、銘柄候補リストを作って提案するのが一般的です。


No.1とNo.2は米国債です。

残存期間は15.1年と29.8年の債券になります。

米国債はどこの証券会社もラインナップが豊富で、

だいたいの残存期間の米国債が存在しています。


米国債は格付けAA+と非常に高く、

信用力が高い債券なので、

残存期間が長い債券を選ぶ富裕層が多いです。


2024年4月時点の利回りは、

だいたいどの期間の米国債も4%前後になります。


安全性を最優先に考える

富裕層に一番人気なのは間違いなく米国債でしょう。

日本企業の高利回り社債も人気

No.3のソフトバンクGの社債も人気です。

今回の銘柄リストの中で唯一の低格付け債になるので他の債券よりリスクが高いと見なされていますが、会社の知名度や規模の大きさから安心感が高いと考える人も多く、何より5.7%と高い利回りを得られるという理由で投資する方が多いです。


有名な孫正義社長が経営する会社なので、

彼をリスペクトする経営者や富裕層には

特に人気の債券です。


No.4の三井住友FGも日本のメガバンクの一角

という安心感からとても人気です。


三菱UFJFGやみずほFGも米ドル債券を発行しており、日本の銀行への信頼が厚い富裕層には

特に人気が高いです。


No.5のオラクルはアメリカの大手IT企業です。


日本ではそこまで知名度が高くないかもしれませんが、時価総額50兆円の大企業です。


日本でオラクルの時価総額を超えている会社は

トヨタ自動車だけです(2024年4月時点)。


その巨大なIT企業が発行していて

5.2%というそれなりに高い利回りを得られる

ということで人気なのです。


No.6のウォルト・ディズニーは説明不要かもしれませんが、ディズニーランドの大元の会社です。

格付けもA−と高く、知名度とあいまって米ドル債券の人気も非常に高いです。


No.7のアップルも説明不要の有名企業です。

格付けも高く米国債と同水準です。

アップルの米ドル債券なら安心して長期で持っていられるという方が多く、35.9年という特に期間が長い債券が人気です。


こういったところが富裕層に

人気の米ドル債券の銘柄です。


説明した債券銘柄や発行体は、

世の中に存在する債券のほんの一部

でしかありません。

富裕層のための米ドル債券投資戦略

著書 世古口俊介

出版社 総合法令出版

定価 1,650円(税込)

世古口 俊介/ウェルス・パートナー代表取締役

2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱東京UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベート・バンキング本部の立ち上げに参画し同社の成長に貢献し、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。 資産数億円以上の富裕層を対象に資産運用コンサルティングを行う。株式や債券、不動産などすべての資産クラスを扱い資産全体を最適化。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1.4万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」を通して日本の富裕層に資産運用の情報を発信している。