【2024年9月5日(木曜日)】
(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB051YF0V00C24A9000000/
2024年9月6日に
米国の雇用統計の発表を控え、
様子見ムードが強く積極的な売買が控えられた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、
鉄鋼大手USスチールが17%安と急落した。
バイデン政権が日本製鉄による買収計画を阻止すると報じられたことが嫌気された。
日本株の大幅下落、再び…
米国〈半導体関連株〉の下落と
低調な経済指標の影響で不安定ななか、
予想される「今後の展開」
8月頭の大幅な下落後、
回復基調だった日本株式市場。
1ヵ月を経た9月4日、
TOPIX、日経平均株価ともに前日比マイナス
となり、再び調整する結果となりました。
株価急落の背景と今後の見通しについて、
東京海上アセットマネジメントが解説します。
回復基調だった⽇本株は再び調整
9⽉4⽇の⽇本株式市場は、
TOPIX(東証株価指数)が2,633.49ポイント(騰落率︓▲3.7%)、
⽇経平均株価は37,047.61円(▲4.2%)と、
ともにマイナスとなりました。
8⽉2⽇から5⽇の2営業⽇で、
17%を超える⼤幅な下落を経験したあとは、
回復基調だった⽇本株式市場ですが、
1ヵ⽉を経て、再び調整する結果となりました。
⽶半導体関連株の下落と
低調な⽶経済指標の発表等から
下落⽇本株式市場が再び⼤きく下落した背景として、主に以下の3点が考えられます。
弊社の現状の⾒⽅は、以下の通りです。
①⽶司法省の動向を⾒極める必要があると考えますが、エヌビディア社製品の性能向上が著しいことや、AI半導体に対する需要も⾮常に強いことから、⽶司法省の動きにより、同社業績が⼤幅に落ち込むことは現状では想定しがたいと考えます。
②ISM製造業景況感指数は、新規受注の悪化などもあり、予想を下回ったものの、前⽉⽐では⼩幅に改善しており、⽶景気の急減速を⽰唆するものではないと考えます。また、⽶国の景気減速がより鮮明になれば、FRB(⽶連邦準備制度理事会)は迅速に利下げを実施することが想定され、利下げにより、現在の⾼い⾦利⽔準により抑制されていた住宅などの⾦利敏感セクターの需要改善が⾒込まれるなど、過度に悲観的になる必要はないと考えています。
③⾃⺠党総裁選の告⽰は9⽉12⽇であり、告⽰後に候補者による討論会などが⾏われ、政策の⽅向性が⾒えてくると思われますが、⾦融所得課税強化が⾏われるかどうかは、今後の政治情勢次第と考えます。当⾯は変動性の⾼い状況が継続すると予想8⽉上旬に、⽇本株式市場は⼤きく下落したものの、その後、急速に値を戻す展開になりました。しかしながら、⽶⼤統領選挙や⽶国の経済情勢、⽇⽶の⾦融政策をめぐる不透明感は引き続き残っており、当⾯は、変動性の⾼い状況が継続するものと考えます。
TOPIXの12ヵ⽉先予想
EPS(⼀株当たり純利益)をもとにした
PER(株価収益率)は、14倍と過去平均並み、
PBR(株価純資産倍率)も1.33倍と、
⾜もとの⽇本株式は特段過熱感も割安感もない⽔準と考えています。
ただし、今後発表される
⽶経済指標や⽇⽶欧での⾦融政策決定会合、
⽇⽶政治動向により、当⾯変動性の⾼い状況が継続し、⼆番底をつける可能性も視野に⼊れておく必要があると考えます。
引き続き、マクロ経済およびミクロの両⾯を注視していく⽅針です。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日本株の大幅下落、再び…米国〈半導体関連株〉の下落と低調な経済指標の影響で不安定ななか、予想される「今後の展開」』を参照)。
https://l.smartnews.com/m-XTLXA/wbrH9j
【追記2:2024/9/6】
債券は上昇か、雇用統計控え米長期金利が一段低下-日銀オペも支えに
(ブルームバーグ):
2024年9月6日の債券相場は上昇が予想される。
雇用統計の発表を控えた米国で長期金利が1カ月ぶりの水準まで低下した流れを引き継ぐ。
日本銀行が長期・超長期債を対象とした国債買い入れオペを実施することも相場の支えになる。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の
大塚崇広シニア債券ストラテジストは、
米民間雇用者数の下振れを受けた米債高の流れから買い優勢で始まると予想。
もっとも、「今晩の雇用統計によって今後の米経済に対する見方が大きく動くと予想され、
日銀の追加利上げ観測にも影響する」と指摘し、
買い一巡後は様子見ムードが強まるとみている。
米ADP民間雇用者数、
21年初め以来の低い伸び-市場予想下回る
米ISM非製造業景況指数、
2カ月連続で拡大圏-上昇幅はわずか
同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは
0.845-0.875%(5日は0.87%で終了)、
先物中心限月9月物は
144円90銭-145円20銭(同144円94銭)。
先物夜間取引で9月物は5日の日中取引終値比11銭高の145円05銭で終えた。
日銀買い入れオペ
- 定例の国債買い入れオペの対象は残存期間5年超10年以下、10年超25年以下、25年超
- 買い入れ額はそれぞれ4000億円、1500億円、750億円
- 備考:日銀の国債買い切りオペ一覧 (表)
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