第6章 意思決定会計(投資の経済性計算)
●ファイナンスの目的
企業価値の最大化。
●株価の算定の方法
投資家の期待
⇒配当利回りと値上がり率
1)株式の期待収益率
r
=(D1+(V1-V0))/V0
=D1/V0+(V1-V0)/V0
D1:1年後の配当金
V1:1年後の株価
V0:現在の株価
D1=インカムゲイン
V1-V0=キャピタルゲイン
(マイナスだとキャピタルロス)
2)配当割引モデル
株式の理論価格は
現在の1株の保有によって
将来得られる配当金を
投資家の期待収益率で
割り引いた現在価値と考える
⇒ゼロ成長モデル、定率成長モデル
●ゼロ成長モデル
毎年一定の配当金とした場合
VE=D/rE
VE:株価
D :配当金
rE:期待収益率
●定率成長モデル
配当金の成長率をgとする
(g=物価上昇率)
VE=D1/(rE-g)
VE:株価
D1 :1年後の配当金
rE:期待収益率
rE>g
※ゼロ成長の場合g=0となるから、
ゼロ成長モデル公式と同じ
●株価妥当性を評価するための指標
1)1株当たり配当金
(DPS:Dividend Per Share)
=配当金総額/発行済株式総数(円)
2)配当利回り
=1株あたり配当金/株価×100(%)
3)配当性向
=配当金総額/当期純利益×100(%)
4)1株あたり当期純利益
(EPS:Earning Per Share)
=当期純利益/発行済株式総数(円)
5)株価収益率
(PER:Price Earning Ratio)
=株価/1株あたり当期純利益(倍)
6)1株あたり純資産額
(BPS:Book-Value Per Share)
=純資産額(簿価)/発行済株式総数(円)
7)株価純資産倍率
(PBR:Price Book-value Ratio)
株価/1株あたり純資産額(簿価) (倍)
●債権価格の算定の方法
1)割引債(ゼロクーポン債)の価格
=満期における償還価格/(1+金利)n
2)利付債(クーポン債)の価格
=クーポン/(1+金利)
+クーポン/(1+金利)2乗
…(クーポン+償還価格)/(1+金利)2乗
●FCFとは?
企業が創出するCFから
投資家以外のステークホルダー
に対し契約にもとづいて配分される額
を控除した残余額。
=営業利益×(1-税率)+減価償却費
-運転資金増加額-投資額
●運転資金
=売上債権+棚卸資産-仕入債務
●WACCとは?
企業の資本コストは
負債コストと株主の自己資本コストを
加重平均することで算出可。
=D/(D+E)×(1-t)×rD
+E/(D+E)×rE
E :自己資本の価値
rD:Dの資本コスト
D :他人資本(有利子負債)の価値
rE:Eの資本コスト
t :税率
⇒FCFとWACCで、企業価値算定できる
●継続価値の算式
継続価値
=予測期間以後のFCFの最終予測年度における現在価値
※予測期間以降のFCFを一定とした場合
=予測期間以後のFCF/割引率
●企業価値
=予測期間のFCFの現在価値+継続価値の現在価値
※予測期間以降のFCFの成長率を一定とすると
継続価値
=予測期間の翌年のFCF/(割引率-成長率)
●株式価値の算定の方法
1)純資産額法
・取得原価法
企業評価額
=総資産(簿価)-総負債(簿価)
・修正簿価法
企業評価額
=総資産(時価)-総負債(簿価)
2)収益還元法(必暗記)
企業評価額
(純資産額×自己資本利益率<ROE>)÷資本還元率
※純資産額=総資産-総負債=自己資本
※資本還元率=国債の利子率などが用いられる
●財務レバレッジ効果
負債比率が
自己資本利益率(ROE)の変動に
大きな影響を与えること
・企業の事業活動で得られる利益率
ROA:総資本事業利益率
・負債による事業資金の調達コスト
i:負債利子率
ROA>i
⇒ 負債比率↑
⇒ ROE↑
●MM理論
・命題
法人税が存在しない市場では
企業価値はその資本構成に依存しない。
⇒完全資本市場では、
資本構成がかわっても
WACCは一定。
・修正命題
法人税が存在する市場では
負債利用による節税効果のため
財務レバレッジ(負債比率)が
高まるほど節税効果の
現在価値分だけ企業価値は上昇する。