すっかり日も暮れて、疲れた身体を引きずるように家路へと急ぐ道。
ふと、懐かしい記憶をまさぐられるような感覚を覚える。
胸の奥がキュッとなって、ふわりと暖かい気持ちが込み上げてきた。
立ち止まって、それがどこから来るのか確かめたい衝動にかられた。
懐かしいと思うものは、なぜこんなにも切ない気持ちにさせるのだろう。
一瞬にして時間が逆戻りする感覚。
私のタイムマシーンは匂いだ。
どこかの家のお風呂の香り。
はたまた、庭先の金木犀の甘い匂い。
雨の匂い、風の匂い。
それらすべてが遠い記憶へと私を導き寄せる
タイムマシーン