先日、CAPワークショップに参加してきました。
CAP(キャップ)とは、Child Assault Prevention
子どもへの暴力防止の頭文字をとってそう呼んでいます。
子どもがいじめ・虐待・体罰・誘拐・痴漢・性暴力など
様々な暴力から自分の心とからだを守る
暴力防止のための予防教育プログラムです。
(↑HPからまるっと引用しました)
知っているようで知らない、暴力の原理から
子どものみならず、大人でも日々ぶちあたる
心の『不穏』への対処の仕方などが学べたプログラムでした。
特に印象に残ったのは「子供のスコップ」の話。
小さな子供が、砂場でスコップを使って遊んでいたら
別の子どもがやってきて、「そのスコップちょうだい!」と
取り上げてしまった。
周りに似たようなスコップはたくさんころがっているが、
「そのスコップでないとダメ」らしい。
そんな時、スコップを取られた子供は何と答えるのか??
最近の子どもは割と
「いいよ」と、相手に譲る回答をする子が多いらしい。
講師の先生が言うには、
「お友達に譲ってあげるという気持ちはとても大切なことです。
でも、譲るという選択の前に、自分自身、
本当にそのスコップを手放してもいいという心境だったのか?
本当はもっとそのスコップで遊んでいたかったという気持ちはなかったか?
もしそんな気持ちがあったのなら、いいよと渡してしまう前に
『いやだ』『ぼくは/わたしはまだ使っていたいんだ』
と伝えても良いんだよ。
ということをまず最初に子供に教えてほしい」
というお話でした。
!!
目からうろこ。
るなこもお砂場遊びを楽しむ年齢ですが
スコップのシーン、よくあるのです。
お友達のものを欲しがることも、お友達からほしいと言われることも。
るなこがお友達のおもちゃを使おうとするときはまぁ冷や冷や。
でも、他のお友達がるなこのおもちゃを使おうとするときはまず
私「どーぞどーぞ!」
親の私が超でしゃばって、
「るなこ!いいじゃんスコップ。こっちのカニ型で遊びなよ」
「お友達が使いたいんだって!いいよって言えるよね?」
など、貸してあげること前提のような
るなこが「いいよ」と気前よく貸してあげることを期待した働きかけばかりしていた気がします。
るなこは人のおもちゃはほしがるくせに
自分のおもちゃを取られそうだと思った時は
とんでもなくガルルガ状態になってしまい、
「ダメーーー!!」と威嚇してしまうことが多々ありました。
大人から見て、たかがスコップ。
そこに固執するより、譲り合い、気持ちよく貸し借りして
円滑にやってほしい~。そんな心を育ててほしい~。
そんな期待があったと思います。
気持ちよく「いいよ」と貸してくれるお友達を見るにつけ
我が子はけちんぼで、なんて社会性のない子供なんだ・・・とがっくり&焦燥。
そんな有様でしたが、
今回のワークショップを通して
私はこれまで親として、
娘の気持ちをまず理解しようとしなかったことと、
一足飛びに社会性を期待してしまっていたことに気づけました。
そして初めて
「ダメー!」と叫ぶ娘の、ほとんど原型そのままの欲求を
ああ、そりゃそうだよなあ
貸したくないよなあ(笑)
まだ遊んでたいんだよなあ~
当たり前だわー
と受け入れられた気がします。
貸してと言われて即座に貸す、
貸してと言われたら思考停止でなんでも差し出す。
それって不自然ですよね。
自分にとって今、魅力あるスコップ。
貸したくないなぁ。まだ遊んでいたいな。
「ダメだよ、貸してあげない」って言っちゃう。
そんな気持ちを経験してこそ、
また別の時に「貸して」と言われた時に
相手の「スコップで遊びたい」気持ちを汲んであげられるんじゃないのかな。
「まだ遊んでいたいけど」
「でも貸してあげてもいいな」
なんて、心の中で二つの気持ちで対談したりして
それからやっと決心して、
落ち着いて「いいよ」って言える方がきっといい。
母になって2年9カ月。
こ~んな単純なことにやっと気づいた恥ずかしさがありますが
それでも!
今、気づけてよかったなあと思います。
最近はようやく減ってきましたが
「ダメーー!!!イ゛イ゛イ゛ィ゛~~ッ!」
って強烈に威嚇していた少し前のるなこに
長い間頭を抱えていた私が
やっとはじめて我が子の威嚇顔を
「うん。実に素直な表現だったんだな」
と、いとおしく思えたことが最大の収穫でした