私の家にはテレビがありません。
この、 「うちにはテレビがない」 ということを
ここ一カ月くらいの間に3回ほど話題にしたことがあって
それぞれで違った反応がかえってきたので
そのことを書いておこうと思います。
①・・・職場で、女性社員・女性パート4人の雑談で
②・・・ピグ(アメーバのネットゲーム)のお友達とのチャット
③・・・高校の同級生の集まり4人で
①、職場での会話。
職場4人の中では、テレビをがっつり見る人二人、
テレビはあるけどあまり見ない人、テレビがない私、という内訳。
お笑い好きの明るいKさんは、仕事から帰った瞬間から
寝る寸前までテレビつけっぱなし!という程テレビ好きで、
家に一台もテレビがないという私に
「ええええええ~!!!!」 とすごく驚いていました(笑)。
また、録画を見るのが大好きなBさんは
自分専用のテレビ&HDD/DVDデッキ、
ご主人専用のテレビ&HDD/DVDデッキが
それぞれあるということで
TVのかかせないっぷりが分かるエピソードを教えてくれました。
とても面白い会話でした。
②、ピグでの会話。
コロ「うちテレビないんですよね~」
お友達のDaripoさん、
「テレビなしかぁ~、いいねえ~」
・・・
私はその時まで、自分の家にテレビがないことを
みじめだとか不便だとか思ったこともないかわりに
「テレビがない状態であることが【良い】」と思ったことも
一度もなかったんです。
テレビは電源を消してしまえばないのと一緒なので
欲しいとまでは思わないけれど、
あるかないか、を比べるなら
どちらかと言えばある方がいいのかなと
なんとなく思っているくらいでした。
でも、「いいね」と言ってもらって初めて
「テレビがない」という状態の「良い面」を見つけている人が
いるんだなぁ~と、そんなこと考えたこともなかった心に
爽やかな気持ちよい風が吹いてくる感じがして
「いいね」と言われたその一言を、とっても嬉しく感じました。
最後に、③高校時代の同級生の新居にお邪魔した際、
お茶をして、お昼を頂いてしばらくしてちょっと話題がおさまった時
テレビをつけることになりました。
NHKの教育番組「おかあさんといっしょ」等の
「にこにこぷん」「どれみふぁドーナツ」といった歴代キャラクター
ふりかえり特集をやっていて、
「にこにこぷん」ジャスト世代だった私たちは
懐かしい懐かしい!と大いに盛り上がりました。
番組が終わって、
相撲をちょっと見て横綱の話をしながらチャンネルを回して、
最終的に芸人のお買いものを追い続ける番組に落ち着きました。
実はテレビを見ていないとお笑い芸人が全くわからなくなるんです^^;
それで、
「この芸人誰だろう、知らないなあ~うちテレビないからなあ」
と呟いたら、友達の一人に
「も~、コロさんはテレビがないから何にも知らない。
テレビ買えよ~!」
と言われました。
その子は私の親友で、付き合いが長いからこそ
ずばずばと何でも言える間柄なのですが
その時はちょっとカチンときました。
テレビがないことも芸人を知らないことも悪いことじゃないのに
買えと言われるのは嫌でした。
以前なら、ちょっとムっとしてそのままスルーなのですが
今回はちょっと嫌だなぁと思った後
前にピグ友のDaripoさんが言ってくれた
「テレビなしかぁ~、いいねえ~」
という言葉を思い出していて、
そう言われたその時その瞬間よりも、
もっと嬉しく思いだして
「家にテレビがない」という私の変わらない事実一つも、
見方によってこれだけ意見が変わるんだという不思議さに
一瞬ひたっていました。
「テレビがないなんて信じられない」
「どうやって生活するんですかぁ~><」
というようなリアクションは実は、
①の職場でのKさんの反応とも似ているのですが
同級生の友達に言われた時と、職場のKさんに言われた時とでは
私の感じ方が全然違いました。
Kさんは単純に違いに驚いている感じだったのですが
残念ながら友達からは私をバカにした気持ち、というのを
すっと感じとってしまったので、嫌な気分になりました。
もちろん軽い気持ちなのはわかっています。
(普段さばさばして気持ちのいい子ですが
人と自分の 知ってる/知らない 持ってる/持ってない
という差に敏感でちょっぴりマウンティング女子的なところがある。)
同級生の新居にお邪魔してお茶する会、の話題はその後
ずっとお笑い芸人の買い物を見守りつつ感想を述べる会になっていました。
ちょっと話題が尽きた時、テレビが間を持たせてくれるわけで、
私もその時テレビに助けられたんだと思います。
でも久しぶりに集まれた会で、
一生会うこともないような芸人の高い買い物を見続けるより、
ちょっとくらいしーんとしちゃったって
ポツリポツリみんなのそれぞれの「最近あったこと」を
聞いて笑っていたかったなあと、
自分も眠くなってしまって(つわりかなと思う)
楽しい話題提供ができなかったこと、
テレビに負けた!!!と思って、ちょっと悔しかった。
もし友達の家にテレビがなかったら? 無理矢理でも
何か話していたかもしれないな~と思ったら
口には出さないけれど、
それは具体的な「テレビのない良さの一つ」かな、
と思わずには居られなかったです。
みんなは楽しかったのかもしれないし、
それならそれで良いのですが
私自身は「お笑い」をやっていない時の
お笑い「芸人」そのものには興味がなくて
さらに他人の買い物・・・眠かったです^^;
* * *
ちょっと話は変わりますが、(すでにめちゃくちゃ長いですが・・・)
タイトルの 「○○がない」 の○○には、
持ち家がない、車がない、テレビがない、子供がいない、
結婚していない、恋人がいない、学歴がない、あれが、これが、、、
と何でも入ります。
誰かに「私には○○がないんだ」と言われた時、
どんな風に返答するのかということは、
自分が○○があるという状態をどう思ってるのか、
というところから始まります。
私の場合はたまたま 「テレビがない」と話した時、
「テレビがないって、いいね」と言われたことが一番嬉しかったけれど
どんな時でも「○○がない」と言われたとき
「○○がないって、いいね」というのが
ベストアンサーというわけではないことはわかっています。
ただ、「○○がないのって、つまらないね」「不便ね」「かわいそうね」
なんて言うのは、すっごく簡単だけど
時々人をすごく傷つける答え方にもなると思います。
悪気はなかったのに、結果的に人を悲しませてしまう言葉を
私は自分で「エラーのある言葉」と呼んでいるのですが、
なるべくならエラーのない言葉のやりとりをしたいし、
もっと言うなら 私が予想外に嬉しかった言葉、
Daripoさんが言ってくれたような飾り気のない「いいね」というような
クリティカルレスポンスを自然にできたらって思います。
「・・・それは、辛いね」とか、言葉自体にネガティブな意味があっても
そこに相手を蔑んだり、優越的な想いがなければ
自分とは感じ方の違う人とも、共鳴することがあるし、
バカにする気持ちなんてない、
かといってお世辞や無理して『励ます』言葉でもない、
言った方も言われた方も負担なく
爽やかな気分になれるやりとりの道が たま~に
あったりしますよね。
○○がない、上記の 「持ち家が~学歴が~」
という内容なら、全部持ってる人だっていると思います。
でもその「全部持っている人」が「全部持っていない人」に
「え?あれもこれもないの?○○も?○×も?××も?ちょw」
なんて言った日には、私はそれをそばで聞いているだけでも
「持っている人」に対して、恥ずかしいというか、すごくみっともない、
たまらない気持ちになると思います。
全部なくたって生きていける、全部なくたって楽しくやってけるものを、
わざわざ天秤に乗せて、「こっちの方が価値がある!」なんて
ちまちま、そして大げさに確認しながら生きていくのはごめんだよ。
でも、○○がない/ある と聞いた時、ちょっとピクッと反応してしまう
自分の小ささを、今回の出来事を通して少し抑えて、
落ち着いて物事を見ていけるようになれたらな、と思います。
こうしておしゃべり好きの私の、
「エラーのない会話術」探しの旅は続く。