子どもの隣り/灰谷健次郎
を読みました
※注意ネタバレあり!!
全然読むつもりのなかった本でしたが
「最近返ってきた本」のコーナーに目を向けたとき
この古びた暗い感じの本が
シュゴォォォッ (ジョジョ風効果音)
と不思議な光を発している感じがしたので
手にとって即決で借りてしまった。
今思い出しても不思議だ。
もう返してしまったのでうろ覚えなのですが
本の裏に 紹介文があって
「現代に生きる子供たちの心の闇を~」
みたいな文がありました。
読みながら
「いつの『現代』だよっ」 (;・v・)ノ゛
とツッコミたくなるような
どう読んでも「今」ではない古さがビシビシ感じられる一冊
全四話の短編集でしたがとにかく強烈でした。
1話目の「燕の駅」からもうグサグサ心に来て
途中から一行読む度に涙がドワッと出るので
進まないわ たまたまバスに乗っていたので
涙出ても困るわで(´;ω;`)もう大変でした(笑)
子供には大人よりも時間がたくさんあるので
時々とはいえその分物事をよく観察していて
大人が当たり前と片付けたり
なんでもないことと見過ごす事象・言葉・態度ひとつに
本当に深く向き合ってることがあるんだ・・・ったよなあ
と思い出しました。 すっかり忘れていますね。
主人公の女の子がたったひとりで気づいて悟ったこと
やるせなさに「燕の駅」という詩が・・・詩が・・・(´;ω;`)←もちつけ!
2話目 「日曜日の反逆」
今の子供は「家出」にヒッチハイクを利用したりはしないでしょう。絶対に。
なんてことを言ってはいけませんよ~。
この本だけは子供ではなくオッサン目線で読むしかなくて
私にはラストの解釈もちょっと難しい話でした。
いい作品だということはわかる気がしていて、
でも理解しきれていないような自分が悲しいです。
3話目 「友」
時代は「コクリコ坂から」のモデルの時代と近いのかな、と思いました。
クラスの様子、主人公の女の子の考え方が 私の中学時代とは
やっぱりちょっと違っていて作品の中の子のほうが精神年齢が高いな。
クラスのなかの「弱いやつ」「損なやつ」を庇うキャラがいるのは
頼もしい気がします。
残念ながら今の中学にはそんなクラスないんじゃないかな。
今の子供は甘やかされていると言われるけど、そういう点は
今の子供の方が厳しい状況にある気がする。
改めて「現代」の子供に対しても、
灰谷先生が作品を書いてくれないかなと思ってしまう。
(もうお亡くなりになったそうですが。。)
4話目「子どもの隣り」
男の子がかわいいです。
目の見えない女の子がクレープ屋(?)で
店頭に並ぶ味を匂いから言い当てたり、
不良娘たちと仲良くなったり 管理されてない
偶発的な子どものネットワークがなんだか温かいお話でした。
子供の視点から世界を見るって、なんだか怖いなと思ってしまいます。
やましい心があるのが、大人なんですよね・・・^^;
小さい子と話す時の自分って、絶対仮面つけてると思います。
ついでに言うとこの本が大人向けではなく
子供向けの本の返却コーナーにあったことが
私をよりビビらせます。
一体どんな子が? なんて渋いチョイスなんだろう。
やっぱ恐ろしいです。