陰陽師 飛天ノ巻/ 夢枕獏
を読みました
※注意ネタばれあり
陰陽師にはあんまり興味ありませんでしたが
実家母が
「あんた、こんなに面白い本読まないの!?」
といって 1話、「通せんぼをする邪鬼」のあらすじを話してくれたのが
結構面白かったので借りました。
面白かったです^^
京都の色々な通りの名前が出て
○○通りを東へ進んでいると 百鬼夜行 にぶつかった
なんていう記述があったりすると、
「おお、○○通りって聞いたことあるよーーー!」
と思って、まだ京都の地理に詳しくなくて
場所がはっきりとはわからないだけに
「もしかして私も、知らない間にその道を通ってるかもしれないっ」
とドキドキしていました。
先日京都育ちの友達と久々に会った時に、
「通ってるかもしれないよね!!」
と言ったら
「通ってると思うよ」
と返ってきました。
友人は
【(知らない間に私がその道を)通ってると思うよ】
という意味で言ったのに
私は瞬時に勘違いして
【(実際にその道には 百鬼夜行が)通ってると思うよ】
だと思って、
「えっ 百鬼夜行って 本当にいるの!?(゜д゜;)」
と驚いてしまいました。
友人 「いやいや (笑)」
ちなみにその子の家の隣の角なんかは
古典の教科書に「幽霊が出る場所」として載っているらしく
高校時代に
「おまえんちの横幽霊でるのかよ・・・!」
という事態になったそうです
飛天ノ巻は全七話、うち気に入ったいくつか↓
2話 「下衆法師」 ・・・ 定番の古典ホラーという感じで好きでした。
なんとかして家に入り、狙っている人物を取り殺そうとする妖怪と
その妖怪を家に入れないようにお札を貼って
なんとか一晩やり過ごそうというシチュです。
あらかじめ家のあらゆる方角にありがたい護符を貼っておき
魔物が一晩中
「ああ。こんなところにもお札が貼ってありつるよ、悔しい」
と言い続ける声が家の周りを周回する、というところ、ゾッとしていい感じ❤
前夜だったかな、「朗報があるよ!助かるかもしれない!」と
同じく命を狙われている青い大猿の声がして
期待して扉をあけたのに誰もいない。
あれ?
と首をかしげていると 屋根の上から 大猿の首だけがドーン!と落ちてきて
後から腕や足がバラバラと降ってくる、とか ね。 怖すぎ❤
大猿はババコンガ亜種っていうイメージで読みました。(←モンハンネタ)
4話 「露と答えて」 ・・・ 古典の時間に習ったお話が出てきたけど、
物語の締めくくりが自分の思っていたのとは違っていて、少し混乱した。
最後姫は殺された、というシーンの印象がなくて、兄に助けられただけだと
思ってたからな。
古典教師が、いいように書いてるけど女の人を誘拐した話です、というところに
重点を置いて話してた気がします^^
私も知らん男に連れ去られて その背中で
「あの光ってるものはなんですか?」とか聞ける姫の余裕が凄いと思ったよ。
この小説の中ではそのシーンが特に素敵でした。
ロマンチックに読むか、つっこんで読むかの違いですね。
5話 「鬼小町」 ・・・ その後の小野小町の話で、つらいお話でした。
主人公の晴明が万能ではない、というところはとてもいいなと思うのですが
小野小町ってかわいい人っていうイメージしかないので
永遠に救いのない鬼として変容していく桜のシーン(だったかな・・・)は
読んでて虚しく哀しくなります。。。
悪いことしてないのに、運が悪かっただけなのに酷いわ~~。
6話 「桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと」 ・・・ 柱の穴から毎晩子供のゆびが出ている。
特に悪いことも起きないけど、不気味だから ええい、弓で射てやる!
穴は塞がり、指は出なくなったけれど、そのかわりに毎晩 部屋のどこかで
ポトッ と音がして、確かめると 子供の指・・・。
それが毎夜続く。原因不明、一体なんなんだ、これは!? というお話。
晴明が呼ばれて原因がわかってしまうと、なんだ結局陰陽師の分野ってことではいはい、
あとは流れでお願いします、という感じなのですが(酷い言い方)
穴から子供のゆびが出て ぴくぴく動く、 という発想がとても面白いです◎
最初は晴明が好きだったけど、後半になるにつれ
相棒のお人よし~な博雅も好きになってきました
短編で読みやすいので また機会があれば他の巻も読みたいです