ホタルくんと ケンカらしいケンカを
したことがありません。
でも そのかわり
お互いの言葉が 通じ合っていないと
そんな風に感じる時があります。
二人で一緒に 井戸をのぞきこむような感じ。
同じ言葉を話していても
いつも笑いあっていても
決して溶けあわないもの、
永久に見えてこないものが
必ずそこには沈んでいる。
二人とも怖い 暗い井戸の底。
もしかしたら底なんて ないのかもしれない。
井戸のふちから
手をつないで のぞきこむだけで
精一杯で その度に
奢ってはいけないんだとと思い出します。
本当はきっと 人と人は
絶望的に違うことばかり。
たった一つ 平等に共通するものをもって
わずかに、 似ているところがあって
ちょっとだけ 解ることがある。
そのほんのひとかけらだけが かけがえのないもの。
井戸をのぞきこむその時、繋いでいられる手が
私たちのひとかけらだと思いました。