※ケータイさまへ  長いですあせる


数年前

隣に越してきた一家のご主人が

ガレージの中で道路に背を向けて

バイクの手入れをされていた。

 

「こんばんは」


私が声をかけても

返事は返ってはこなかった。

 

声が小さくて聞こえなかったのかな?と思って

今度は大きな声で

 

「こんばんは」

 

って挨拶してみても 反応はない。


おかしいなー?と思いながらも

その日はとりあえず家に入った。

 

またしばらくして、同じような場面に遭遇。

今度こそはと挨拶してみるけれど、

 

・・・(反応なし)・・・かお 

  

「・・・な、なんやねん!゛(`ヘ´#)

今度のお隣さんは

挨拶もできへん人なんかいっ!!!」

 

私の気持ち。

新しいお隣さんと仲良くなりたいなーと

思っていた気持ち。

空振りだった挨拶のやるせなさから

わたしはそう思いました。むっ


でも   

後日隣の奥さんが教えてくれたこと。

 

「うちの主人は耳が悪くてね

挨拶とか、話しかけてくださっても

聞こえなくてまったく気付かないことがあるのよー」

 

本当にその時まで

私はお隣のご主人に対して

「しっつれーな人~~~~~むかっ

って誤解していました。

 

なんて勝手な、一方的な解釈だったかと

悪しく思っていた取り返せない数日間を

申し訳なく思う。  


 

そのことがきっかけで申し込んだ

会社の夜間セミナー。

 

耳の不自由な方、体の一部が不自由な方が

普段の生活で感じていることや

簡単な手話を習得することで

顧客満足に近付くようにというプログラムだった。

 

グッド! これは 大切な人 という意味

 

手の平を上に向けてつくった座布団に

大切な人グッド!をのせて

手前から胸に引き寄せる


これが

「いらっしゃいませ」

になる。

 

エレベーターから降りた時 

一緒に乗っていた他の人に

「あんた!!人の足ふんづけておいて

すみませんの一言もないの!?」

 

怒鳴られてしまったその人は

足のつま先だけが義足で

たとえ熱湯がこぼれても気づかない。

 

買物の帰り道

自転車が脇を

すれすれに追い越していく

自転車の人が振り向きざまに言った

  

「馬鹿野郎ー!」

 

後ろでずっと鳴っていたんだろう

「道をあけてください」のベルが

聞こえなかった。 


「でも悲しいことに

聞こえないのに、

そんな言葉に限って唇の動きで

言ってることはわかるんですよね。」

 

 「ば」 「か」 「や」 「ろ」 「う」 

  

私のお隣の

「挨拶もできない失礼な人!!」

ご自分で釣り上げた大きな鯛を丸々

しょっちゅうおすそ分けしてくださる

気前のいいにこやかなおじさん。

 

ほんのすこし

自分の思っていたことと違う動きをする人に

「なに?」「は?」って思ってしまうこともあるけれど

「?」の向こうにある事情を 

少しだけ想像する努力をしたい

 

「『色々なハンデのある人がいる』ということを

知っている人。

そこでしなやかに対応できる

スマートな人になりたいですね」

 

と締めくくったT講師。

 

内容は他に

・「ハンデ」とは決めつけられないということ

・隣の人との筆談体験

・声を出さずに口ぱくで単語を言い当てるゲーム

・盲導犬以外の犬 介助犬、聴導犬について

 

内容が濃すぎて書ききれないのですが

とても参考になる研修でした。