
私が入院していたがんセンターでは、婦人科では最も大きい手術といわれている広汎子宮全摘術においても、パス入院が導入されていた

パスとは(簡単にいうと)
術前から術後までの活動や処置が、事細かく記されている計画表である。
そのパス表によって、私たちは自分がどんな状態になっていくのか、術前からイメージができる優れものである

まぁしかし、
術後早期離床とはいえ





こんなにすぐに動けるかぁ



くらいの計画であった

手術前から計画ははじまる。
入院したとたん、低残渣食といって、腸に食物が残らないように離乳食のようなドロドロ食事がはじまった。


『こんなん、食べれへんわぁ』と言いつつ、全量摂取



しかも
『意外に美味しい』とナースに話すと、『そんなこと言う人、初めてです』
と笑われた

でもほんと、赤ちゃんに戻った気分でこれまた意外に楽しめた



それを食しながらの下剤

きつかった

あと術後



合併症である腸閉塞&血栓予防のための早期離床



わかってはいるが。
翌日から、坐位&立位。
『はい。頑張って~。』
『できたできた!すごい!じゃ、頑張って次は室内歩きましょうか!』
初めてお座りやタッチが出来た子どものように褒め称えられ、同室者からも拍手喝采をいただき、私もその気になり頑張る



しかーし!
いくら硬膜外から鎮痛剤が入れられてても、痛いものは痛い



おだてられ、調子にのったことに後悔



『痛み止め、どんどん使ってください。
その分歩いてください。』とナース

なのに変な意地とプライドがある私。
痛み止め使ってたまるかぁ!
なんて思いながらなるべく使用せず。
(意味わからん
)

その翌日は、
『洗髪しますからぁ。
ただし、洗髪台まで、歩けたらですがねー。』
と試される。
手術後、汗まみれになって、髪はワカメみたくベタベタはりついてる。
早く洗ってーーー

ヨボヨボ状態で、洗髪室へ向かう私。
これ、髪長かったら絶対貞子



翌々日からは
『今日はどれだけ歩きましたぁ?』
と聞かれる。
前述したが、変な意地とプライドがある私は、ナースステーションの前を、チラ見しながらこれ見よがしに歩いた

『よく、動かれてますよねー。』
とそのたびに褒められた。
(私ってホンマ子ども
)


そんなこんなで、術後は早期離床達成

でも人の体って素晴らしい回復力

日に日に痛みもマシになる。
あともぅひとつ

血栓予防の注射



1週間1日2回、お腹にするんだけど、
これが痛い

痛みには強いと自負していた私だが、これには滅入った

今だにお腹にできた大きな青アザは消えない



でも血栓ができては困る。
こんなに頑張ったのに、血栓が
『とびます。とびます。』
(坂上二郎さん、いただきました)
で、肺や心臓にとんで、致命傷になれば、今までの苦労も水の泡



耐え抜いた

『全然痛くないですー!
上手ですねー!』
と、変な意地とプライドを見せながら

とにかくスパルタ術後であったが、このおかげで皆、合併症を回避して回復していくのだろう



この後に、排尿障害を経験する。
一難去ってはまた一難

クリアしてはまたひとつの壁が立ちはだかる

排尿障害をクリアした今、次は何が待ってる?
追加治療の、抗がん剤もしくは放射線か?
それは次回の外来受診で決まる。
手術でとった組織(子宮・卵巣・リンパ)の結果で決まる。
もし、そうなったとしても
やってこい



私は負けないよ
