#14 塩の街
ブログで紹介する本で、同じ作者が2回目となるのはこれが最初。
有川浩「塩の街」 デビュー作だそうです。
感想。
ラノベ。
まぁ当たり前なんですけどね。電撃のラノベなわけですから。
新潮文庫版を手にしたので、表紙からはそんな感じも受けず、詳細は知りませんが中身も大人向けに一部改訂したとのことなので、ラノベ臭さはそんなにないのかと勝手に思い込んでいましたが。
表紙がクールでも、挿絵は無機質な戦闘機のが一つでも、その文面からラノベ臭がひしひしと伝わってくる。
やっぱりこれはラノベだ。
というのが第一印象です。
まぁ、作者も大人向けのライトノベルが書きたかったと言っているようだし、あの頃の作品は稚拙だったと言っているようだし、いいんだけどね。
その分、すごーく読みやすいです。
ただ、最終章なんかは、壮大な任務に命をかけて「行ってきます」したかと思えば、直後にあっさり無事帰還してハッピーエンド迎えてしまったので、かなり拍子抜けではありましたが・・・
↑これってネタバレかな??すいません。
ストーリーは、「塩害」という謎の現象で世紀末状態になる日本を舞台に、高校生小笠原真奈と、塩害で両親を亡くした真奈を拾った秋庭の二人を軸に進められていきます。
不謹慎なことですが、この時期に読んだので、大震災・原発事故で空前の危機に瀕している日本の現状、あのテレビのおぞましい映像が重なるようなところもありました。
悪い夢のようなことが現実に起こっている今では。
ただ、本作品は基本的には恋愛ものであり、サクサクした軽い物語であります。
秋庭が、すごく少女漫画みたいな現実離れした人物像ですけど・・・(あ、真奈も現実離れはしとります)
あと、気になったので本家電撃版の表紙をググったら、真奈のロリっぷりに引きました。これじゃぁ買わねぇわ・・・
#13 クリムゾンの迷宮
数年ぶりに読んだホラー小説である、貴志祐介「クリムゾンの迷宮」
結論。
怖かったぁぁぁぁぁ。
人間てやっぱり、「怖いもの見たさ」を持っているのですね。
ページをめくる手が止まらない、止まらない。
いや、冷静に振り返ってみると、さほど怖くはなかったのですが。
ホラー小説家による、「角川ホラー文庫」から出ている本。
怖くないはずがない。
100ページ読んだ。そろそろか。そろそろ来るのか。
半分読んだ。そろそろグロ登場か??
・・・という、勝手な疑いが膨らみ、自分で迫り来る恐怖を演出していたのであります。
何が怖いって、そういう「そろそろ来るの?」という思い込みが。
実際は、さほどでもなかったんだけどさ。
主人公藤木は、気がつくと「火星」と称される謎の地にいた。
手にしたのは、藤木の運命をナビゲートする小型ゲーム機。
そして、ゲームの参加者である大友藍。他複数の男女。
知らず知らずのうちに、デスゲームが始まる。
バトルロワイアルのような話でありました。
人を喰う者への恐怖・・・
怖いんだけど、先が読みたくて読みたくて。
空腹が極限状態に達し、生存するために芋虫とか、爬虫類とか食べるのですけど、最初は主人公と共にためらうものの、徐々に主人公と共にどうでもよくなる。
いろいろ感覚が麻痺してきて、登場人物と共に恐怖を味わうのでした。
サバイバルに関するいろんな情報が細かく書き込まれてるのが、丁寧でよかったです。
あー、ぞくぞくした本だった。
#12 ぼくと1ルピーの神様
初めて読んだインド人作者の本。
ヴィカス・スワラップ「ぼくと1ルピーの神様」です。
これは、少し前の映画「スラムドッグ$ミリオネア」の原作(ただし、映画とはけっこう異なるらしい)です。
スラム育ちの少年「ラム・ムハンマド・トーマス」が、ミリオネア風の番組に出場し、初の最高賞金獲得者となるのですが、こんな無学の少年にクイズが解答できるわけないと追及される。
ラムは、過去を振り返り、なぜ答えが分かったのか説明していく・・・という話。
1個1個のクイズにまつわる話が章立てされており、そこからラムのあまりに壮絶な人生が見えてきます。
貧困。犯罪。人もけっこう死ぬ。
ラムはまあまあ前向きな少年ですが(そうでないと生きていけないのかも)、話は暗いのばっかりです。
また、各話を丁寧に読んでいくと、読者にもクイズの答えが分かるようになるのですが、私には分かりませんでした。
ラムよ、記憶力すごいなー。
クイズの答えをたまたまの経験から知っているというのは、ご都合主義な気もしますが、
それより、ラストの展開が!!です。
伏線はちょいちょいあったのでしょうが。また読み返してみよう。
最後の最後はハッピーエンド。ラム、よかったね。
翻訳も非常に自然で、読みやすい。
運命は自分でつかみましょう。
#11 一瞬の風になれ
青少年たちの、
さわやか青春スポーツ物語!!
といえば、近年では、
「バッテリー」「DIVE!!」
そして、この作品。佐藤多佳子「一瞬の風になれ」ではないだろうか。
ま、「バッテリー」も「DIVE!!」も読んだことないけどね(え
だって長いんですものー。外れだったらショックが大きい。
本作品も3巻という長さで手が伸びにくかったのですが、やっぱ気になったので読みました。
基本的に、こういうさわやか青春系、嫌いじゃないのさ。
陸上、という一見地味~なスポーツを扱っていながら、活字だけで汗の輝きが見えるような作品です。
特に短距離を扱っていて、これはコンマ一秒を争う競技ですが、その緊張感、疾走感が映像のように伝わる。
主人公の新二、サッカーの才能を開花させるその兄、陸上部に入るきっかけを作ってくれた連。
天才ばっかり存在しているようには思いますが、部の先輩や先生など脇役もいいキャラしてるし、だんだん気にならなくなってくる。
少年のリアルさは、あさのあつこや森絵都の方が上な気もするけど、(特にあさのさんはスゴイと思う)
それも気にならなくなってくる。
それくらい、いい感じで青春しとるぞ。
陸上というと個人競技ですが、リレー(4継)では、4人がまるで以心伝心んであるかのようにベストなタイミングでバトン渡し、走り抜けていく。
そして、その瞬間を共有する。
その友情にも心打たれるんだなぁー。
2巻と3巻はまだ読んでないのですが、ぜひとも続きが読みたいです。
新二の成長が気になります。
完成されてるように見える兄さんや連よりも、主人公の可能性は無限大ですからね。
#10 そして五人がいなくなる
コナンの黒幕と噂される(笑)、阿笠博士の名前の元にまでなった、
偉大なミステリ作家、アガサ大先生の素晴らしさに少しふれたカンナですが、
もっと早くに気づいていた人たちは世界中に大勢いるわけで・・・
タイトルに、そのリスペクト感があふれている、児童~YA向け本格ミステリ作品を紹介します。
はやみねかおるさんの、「そして五人がいなくなる」です。
これは完結した「名探偵夢水清志郎シリーズ」の第一作であります。
どのへんが児童向けかというと、
かわいらしい三つ子少女たちが活躍するストーリー、
子どもでも読みやすい文体、
そして何より人が死なない!!犯人の動機も・・・ほのぼ~の***
コ▼ンなんて、年中誰かが死んでるのにねぇ。
お子様文庫である、青い鳥文庫(いや、けなしているわけではないよ)から出ていたのですが、
講談社文庫という大人にも手に取りやすい文庫から出版され、それを手に取った次第です。
内容は、上記のように子供向けと思う作品だったわけですが、
ミステリーとしての本格度合いは、決して子供騙しなんてことはないですよ。
ザ・消失もの。でした。
良質のお子様ランチは大人が食べてもおいしい♪そんな感じです。
まず、冒頭部分が登場人物紹介を兼ねたお話になってるのですが、そこから、ちょいちょい推理を入れてくる。つかみから飛ばしてますね。
作者のはやみねさんは元小学校の教員で、子どもたちにたくさん面白い作品を提供されていたそうです。
この作品もわくわくする物語です。
