ノーベル賞受賞者であるカズオイシグロさんが

脚本を手がけた

黒澤明監督作品が70年前にあり、

そのリメイク版という事です。


生きる



とにかく、染みました。


「夕暮れ時、子どもは家に帰りたくない、

もっと遊びたいと駄々をこねる。

そういうものだろ?

誰にも交わらず母親が迎えに来るまで

じっと座っているよりよっぽどいい。」


ここだけ切り取ると「?」となります。


でも、これは人生そのものに言える事。



人生、トラブルが起きないよう、

めんどくさい事に巻き込まれないよう、

怪我しないよう、洋服が汚れないよう、

いつもと変わらない事が何より大切。


そう思って


何も自分から能動的に動かず

でもそんな人間に限って

「なんか面白くないなぁ

面白い事ないかなぁ、、」と

愚痴る。

だから面白くない毎日なのに。


私の大好きな言葉に

「面白き事も無き世を面白く

すみなしものは心なりけり」

高杉晋作さんの句です。


勝手にですが


この言葉を

そのまま映画にしたような作品だなと

思いました。


この記事の表題

「紳士になりたい」は

この作品の中で

主人公が小さい頃の夢が

「紳士になる」事だったと言っていました。


英国紳士は

オシャレでスマートで

ウィットに富んだ会話ができて

女性ファーストで、、


見た目は紳士になった彼。

がしかし、その人生は

決して「生きて」はいなかった。


余命宣告を受けた彼が

「生きる」事に真剣に向き合う時間。


彼が去った後に

彼の生き様に影響を受けた人達。


それでも

洪水のように押し寄せる毎日の

膨大な忙しさに

その「影響」も薄れてしまう現実。


何もかも綺麗事で終わらせない


人生のリアル


をそこらじゅうに散りばめられた作品。



私の父も亡くなるまで

弱音を吐かずに逝きました。


尊敬していますが

少しだけ寂しい気持ちもあります。


でも


私も

余り子供達には

弱音は吐かないで逝きたいと

いつも思っているから


この主人公にとても共感しました。


大好きな作品がまた一つできました。