気持ちの上では故郷への郷愁は心の隅にあり友人と酒を交わす時は故郷の情景を思い浮かべ故郷の歌を歌っていた。
その頃は好意を持つ人があらわれ時々会っていた。卒業生のY子さんである。とても聡明な方で会って話しをするのが楽しみであった。付き会い始めてわかった事は彼女は養女として育てられその家の跡を継ぐ役割りを担っている事がわかった。
私も父から我が家の跡を継ぐように言われ故郷へ帰るかもしれない状況であった。
幸いにも教員採用試験は不合格の通知が来た。これで故郷へは帰らなくていい、そう思うと胸を撫で下ろす気持ちだった。でも心の何処かに故郷への思いは強くあった。
翌年の3月、昭和41年 突然に故郷の教育委員会から採用する通知が舞い込んできた。話しによると退職する教員が多く発生し補填するとの事であった。
さあ、困った事になってしまった。故郷へ帰るか、名古屋に残るかを直ぐに決めなくてはならない。