次世代広告のテクノロジー、つまり広告の仕組みに関しては今だからこそ理解でき、
2007年8月出版の本ではありますが、読み返してみると学べる点がたくさんありました。
まずは、コンテンツ連動型広告にフォーカスして内容を整理してみました。
コンテンツ連動型広告成立の背景
インターネットのトラフィックが特定メディアに集中した時代(2003年頃まで)は、コンテンツ連動型広告の出番は少なかった。コンテンツ連動型広告は大規模メディアの空きスペースを埋めるためのものであった。ニュースサイトの記事の下に登場するタイプである。2003年頃から登場したブログがインターネットのトラフィックを変えてしまった。
2003年以降、ポータルよりもずっと小さなメディアであるブログが、一気に800万も登場することになった。有名ブロガーのように月何百万PVのサイトであれば話は別だが、こういったブログサイトを広告商品化することは極めて難しい。それではブログごとにカテゴリーを決めて(金融系ブログや旅行系ブログなど)しまって広告を配信すればいいかというとこれもまた難しい。
なぜならば、ブログは個人のメディアであるので、「好きなこと」を記述できる。いくらIT系のブログであったとしても、たまには友人の結婚式に行ったことであるとか、どこそこのラーメン屋さんはうまかったといったことを書くだろう。つまり、ブログは大カテゴリーを作りにくいメディアなのである。
そうなってくると、キーワードをトリガーとするコンテンツ連動型広告の優位性は明らかだ。コンテンツ連動型広告では、リアルタイムにブログの内容を追いかけて自動的に広告を配信することができる。まさに、ブログ向け広告配信プラットフォームとしてうってつけであると言うことができる。
コンテンツ連動型広告成立の条件
1、「技術力の進歩」:コンテンツ連動型広告は、そのコンテンツ解析対象文書に何が書かれているか特定する日本語解析技術が必須の技術となってくる。
2、「広告主の数」:コンテンツ連動型広告は広告の配信カテゴリをキーワード単位まで細かく出来ることが利点であるが、一方そこまで細かくターゲティングするには大規模な広告主の数が必要である。
3、「広告掲載面のボリュームとバラエティの確保」:日本で開設されているブログ数は800万-1000万とも言われており、広告掲載面は2000年代前半に比べて格段に増えている。とはいえ、コンテンツ連動型広告を配信できるメディアはインターネット上にまだまだ存在している。
コンテンツ連動型広告の仕組み
1、クローリングサーバーが広告配信スペースからのクローリングリクエストをキーとして、コンテンツ解析対象文書を取得する(このリクエストはJavaScriptを用いて行なわれる)。多くの場合、コンテンツが更新された時点で文書を取得しに行く。
2、日本語解析エンジンが取得された文書を解析する。文書内でその文書そのもののテーマを表している単語を切り出し、その後、カテゴリごとの日本語の重み付け辞書をもとに重要度順に並べる。コンテンツ連動型広告にとって最も重要な部分である。
3、抽出されたキーワードを重要度順に広告原稿データベースとマッチングさせる。この際の優先順位はクリック単価と日本語の文章としての重要性によって変化する。
4、広告原稿データベースでマッチングしたキーワードの広告タイトル、広告原稿、広告本文の文書を配信サーバーが受け取り、広告配信スペースに配信する。
コンテンツ連動型広告の市場規模
2008年のPC向けコンテンツ連動型広告は前年比125%で239億円となった。
国内P4P市場でトップを走るオーバーチュアが、今年7月に、これまでのウェブコンテンツ解析に加え、現在や過去の閲覧行動などからユーザーの興味・関心を探り、最適な広告を提示できるクリック課金型広告「インタレストマッチ」のサービスを開始し、行動結果も加味してマッチング精度を高める新たなサービスとして期待されています。しかしながら、市場全体の影響から、しばらくは緩やかな成長と予測しております。

