今日はとても暖かい。

ということで、姫と一緒に鴨川にピクニックに。
マクドのテイクアウトと缶ビールと本を持って。

日差しは暖かく、川はその日差しを反射してキラキラと輝いている。
まだ植物は枯れたままで、本当に美しい季節まではもう一息と言ったところだけど、それでも十分幸せだ。
ビールも美味しい。

食後しばらく読書するも、意外に風が強く、寒くて読書断念。
その後、飛び石の上をぴょんぴょんと跳ね、ひとしきりはしゃいでから帰路へ。

京都にいられるのも後半月ほど。
その間に精一杯エンジョイせねば。

■AERA
AERAを立ち読みする。

養老さんら(他失念)によるニートについての対談の記事が面白かった。
はじめてニートが”ot in ducation, mployment nor raining”の略だと知る。

ニートを歯がゆく思う大人は、
「働くことこそ美徳」
というひとつの思想を真実と思い込み、若者に押し付けている、という意見は秀逸。

そもそも世間には自分の思想を真実と思い込み、他人に押し付けようとする人間が多すぎる…

今日はボクの姫(お付き合いさせていただいている女性)の話をしよう。


姫はボクと同じ大学の4回生で、同じ部活の後輩だった。(ボクが1年休学したせいで卒業年度は一緒になっちゃったけど。)

だけど姫は今年度の頭くらいから、ずっと進路のことで悩んでいた。
このまま大学院に進学し、そのまま就職するという、いわゆる「普通」の道を歩むべきか、それともこのころ芽生えた自分の夢を実現させるために大学を再受験するか、でだ。

ただ「普通」の道を離れて、夢を選ぶことには現実的ハードルも多かった。
親の期待にこたえられないことへの後ろめたさ。
金銭面で親に負担をかけることへの申し訳なさ。
結婚や出産の時期を逃してしまうかもしれない、という女性特有の悩み。
などなど。


ボクは一貫して、自分の人生なのだから自分のしたいことをすべき、というスタンスでアドバイスしてきた。
でもボク自身、自分が選んだ道が、本当に自分がしたかったことなのか、と問われると100%の自信を持って、そうだ、とは言えなかった(選択肢の1つであったことは確かだけど…)し、夢に向けてできる限りの努力をした、ともとてもじゃないけど言えなかったので、姫の話を聞いたり、アドバイスをしつつも、どこか後ろめたい気持ちを拭い去ることはできなかった。


そんな葛藤をかかえながら夏を越え、いろいろな人のアドバイスや親のバックアップを得、姫はとうとう夢の道へ歩き出すことを決めた。

でも自分の関わってきたことは、最後まで真摯にやり通したい、という理由から大学受験の勉強だけでなく、自分の研究(卒論)もしっかりした形で仕上げる、という選択肢をとった。

一度受験の時に一通りやっているとはいえ、センター試験までそんなに時間がないのに、この選択はボクには現実的じゃない、と思えたけど、姫は鋼のような意志と、強靭な精神力でその両方をこなしていった。

昼は実験、夜は図書館にこもり、勉強。
ひたすらその繰り返し。
卒論を大体終えた12月以降くらいはひたすら勉強で、冗談じゃなく1日13、4時間コンスタントにしていたと思う。

ボクも自分の好きなことには一徹にこだわる性格だけど、とてもじゃないけどこの時期の姫なみに、なにかに打ち込むことはできない。

そんな姿を間近で見つつも、ボクには何もできなかった。
できることといえば、せいぜいグチを聞いたり、たまにご飯をつくることくらいだった。
申し訳ないと思いつつも、本当に無力だった。


そして姫は、その意志を曲げることなく本当にやり遂げた。
センター試験は828/900点、二次試験も無難にこなし、そして今日、とうとう念願の志望校に合格した。
自分の受験番号をHP上で確認した姫は泣いていた。

月並みな言い方だけど、その涙はキレイだった。
なにかに一途に打ち込み、やり遂げ流す涙。
そんな涙を今までボクは流したことがあるか、そしてこれから流すことがあるのか考えると、それがうらやましくもあった。


なにはともあれ、4月からは二人、別々の場所で新たな生活が始まる。
新生活が始まっても、お互い心の中で重要な位置を占め続けるのか。
それともどんどん存在が小さくなっていってしまうのか…

そんなことを考えていると、ふと「パンゲア」という言葉が頭に浮かんだ。

アルフレッド・ウェゲナーの「大陸移動説」によると、遥かなる太古にはこの地球上には大西洋が存在せず、地球は一続きの大陸(パンゲア)だったそうだ。
しかし1億3千万年前、マントルの動きによってそれが分断されると、それからはアメリカ大陸とユーラシア大陸はどんどん離れて行き、今の広大な大西洋ができた、という。

今は一緒にいるけれど、そしてそれぞれは何も変わらないけれど、一度分断されてしまうと、時間がたつにつれて二人の距離は少しづつ、でも確実に離れていってしまう?

誰にも、もちろんボクにも姫にもそんなことは分からない。
でもなんにせよ、いつも自分の気持ちに正直にいよう、と二人話している。

■本生ゴールド
本生ゴールドにはまり中。

飲む人によっては、あっさりしすぎていて、物足りないと思うかも知れないけど、あっさりすっきり系ビール大好きのボクとしてはもうサイコー。
料理とも合いますし、ビール特有の苦味とか後味が苦手なひとも楽しめるかと。

ぜひ一度お試しあれ★


■読書メモ
大崎 善生さん 『九月の四分の一』

『パイロットフィッシュ』や『孤独か、それに等しいもの』などで最近売り出し中の大崎善生さんの短編集。
4編のちょっとほろ苦い話を収録。

この人の書く、切ないラブストーリーは個人的にちょっとツボだ。
透明感があって、優しくて、こういう風に人と向き合えたらなー、と思わされる。
ボク自身、本を通して、少しでもカッコイイ人間になって、他人に誠実で公正な接し方をしたいと思っているので、そういう意味でもこの人の作品の登場人物はみなテキストのような存在だ。
(…。
とはいえ、いくら理念では優しく誠実でありたいと思っていても、余裕を失うと、ついつい理不尽で最低な態度をとってしまうんですよね…
そのことは部活時代に痛いほど身にしみました。
部活時代は本当にボク自身余裕がなくて、人にも馬にも本当に理不尽なことをしてきたたと思う…反省。
「人は理念で動くわけではない」と誰かが言ったけど、ホント名言。)


あらら、話が逸れちゃった、本の紹介に戻ろう。
あと、この作者さんは話のあいだに微妙なタネを仕込んでいることが多いように思う。
たとえば表題作の「九月の四分の一」では「綿菓子」、「放射状の道路」、「実存と存在の違いについての考察」などなど。
その時、その時は何気なく読み飛ばしてるだけなんだけど、終わってみると、「あぁ、あの場面はそのために出てきたんだ!」と気づかされることが多くて、読み返すたびに新たな発見がある。

なにはともあれ、大崎善生さんの小説を一度も読んだことない方は、一度読んでみると面白いかも。特に『世界の中心で愛を叫ぶ』なんかが好きな人は大崎ワールドにはまるはず!?
自己紹介のところでも書いたけど、カフェや鴨川のほとりで本を読むのが好きだ。


本くらい家で読んでもいいんだけど、家で一人いるよりはそういうところに行く方が楽しい。
買い物途中の赤ちゃん連れの主婦、学校をサボってボーっとしてる学生風の人、図書館帰りの老人etc.…
社会の激流に飲まれて、余裕を失ってしまっている人が多い中、そういう流れなんてどこ吹く風、平日の昼まっからカフェや公園で堂々とボーっとしてる人なんて余裕を持って生きている人たちが多いだろうし、ボクはそういう人たちが大好きだ。
しかもそういう人たちと一緒に、そののほほんとした空間を共有していると、一種の共犯意識というか、暇人の連帯感みたいなものが自分の中でふつふつと湧いてきて、親近感を感じ、なんとも心地よい。


気候がいい時は、公園とか鴨川のほとりの方がいいけど、さすがに今の季節にそれはちょっとつらい。
最近のお気に入りはもっぱら近場のSTARBUCKSだ。
コーヒーがおいしかったり、小さな音量でかかっているジャズピアノがかもし出す雰囲気なんかもいいんだけど、なによりボクがここのスタバを気に入ってる最大の理由は、お気に入りの店員さんがいるからだ。

その店員さんはいつも笑顔を絶やさず、とても感じがいい。
しかも距離感のとり方が抜群に上手く、とても親しみやすく会話できるんだけど、決してこちらに踏み込みすぎることはない。
他のお客さんも、その店員さんととても楽しそうな顔で会話しているのをよく見かける。

昨日はその店員さんをますます好きになるエピソードがあった。
ボクはちょっとした常連さんなわけだけど、昨日、本日のコーヒーを注文したら、
「スラウェシ(豆の名前)お好きですよね?今日の豆はスラウェシですよ。」
と満面の笑みで教えてくれた。
いつも買っていく豆をおぼえててくれたのだ。
その笑顔もいいし、なによりそういうちょっとした心遣いが嬉しくて、また気持ちがポカポカした。


オノ・ヨーコさんがなにかのインタビューで、

「今は困難な時代になってきていて、生きにくいけれど、一日にひとつ、何か心躍ることをしてください。もしそれがなかったら、誰か他の人にそれをしてあげてください。そこから世の中が変わっていくのだから。」

みたいなことをおっしゃっていたそうなんですが、ここのスタバの店員さんは確実に一日に何人もの人を幸せな気分にしてあげていると思う。
幸せな気分をもらった人もまた、絶対少しは他人に優しくなれると思う。
なんていうの?
善意の連鎖、なんていったらちょっと言いすぎかな?


そんな幸せな空間にいつつ、ボクも他人に少しでも優しくできたらなー、そんでもってそこから少しでも善意の連鎖が起こればいいなー、などと思う午後でした。

今回は遅ればせながら簡単な自己紹介をさせていただきます。

butter(ボク)
このblog(『Butter Says』)の管理人です。
和歌山出身で今は京都にある大学に通ってます。
松坂世代もしくはミスターシービー世代(分かりにくい!)の男です。
よく頭の中が女の子っぽいと言われますが、女の子が大好きな男です。
こういう人をトランスゲイ(体は男。心は女。恋愛対象は女。ヴァイスヴァーサ)というそうです。(嘘。いたってまとも…な、はず…)
大学時代は馬術部に所属していて、日々馬術(乗馬)にいそしんでおりました。
そのせいで、本分のはずの学業の方は…
4月からは札幌で新社会人として働きはじめる予定です。

好きな場所:本屋 図書館 カフェ 鴨川
本が好きなので、自然とそれに関係するところに足が向かいます。

趣味:読書
ろくに学校にも行かず日々本を読んで暮らしているので、けっこう読んでいると思います。
気候のいい季節には鴨川で、それ以外はお気に入りのカフェで本を読んでいるのが最高の幸せ!

好きな本、作家:特定するのは難しい…
現代作家についてはジャンル問わず幅広く網羅してると思います。
純文学と言われているような作品よりはエンターテイメントよりの作品が好きですが、何でも読みます。
海外作家や日本の文豪についてはとんと疎いですが…
あ、このblogのタイトルは山田詠美さんのエッセイ集『Amy Says』から、サブタイトルは村上龍さんの同名の短編集からの連想ですが、特にこのお二方が好きだと言うわけではないです。
両方響きがなんとなく好きなんで、使わせていただきました。

性格:一徹!

このblogの趣旨:ノーコンセプト!
日々あったことを綴るよりは、自分の頭の中で考えたことを綴るようなエッセイ的な内容の方が多くなる予定です。
あと、読んだ本を感想とまではいかなくとも、少なくともメモ程度には書いていきたいです。

こんなところでしょうか?
後は皆さんがこのblogを読んでどんなヤツか判断してください☆
それではこれからも『Butter Says』ともどもよろしくお願いいたします。
今日は4回生の成績表交付日だったため、教務に。
ぎりぎりしか取得していない超綱渡り状態だったので、もらうまではもうドキドキ。

で、見る。必要単位:140、修得単位:141でほっとするのも束の間…
なんか横に
*マーク(卒業要件を満たしていないことを示す印)ついてんですけどー!
もうこの瞬間、血の気がすっと引き、目の前真っ白。

しかし、それも束の間。
今度はアドレナリンが全身をかけめぐる。
毛穴という毛穴がひらき、顔がほてるのを感じる。

やばい!

なぜ?足りてるはずでしょ!?どうして?
混乱する頭を必死で沈め、単位を上から足し算していく。
焦ってるので簡単な足し算も全然あわず、する度に答えが違う。
そして間違うたびに、絶望の波がどーっと押し寄せ、ボクを向こう側へ連れて行こうとする。

でも落ち着いてくるに従い、何度やっても、どうやっても足りてる。
142単位取ってるはず。
疑問と不安を抱えつつ教務のおばちゃんに、これおかしくないですか?と聞きにいく。
そしたら教務のおばちゃん、照れ笑い浮かべつつ、「あ、言い忘れてました。この文学部英語の1単位が加算されてないみたいなんです。原因は分からないんですけど、多分大丈夫なはずです。」と、あっさり。

頼むで、おばちゃん!そういうことは渡す前に言ってよ!

そんなこんなで無事卒業確定…ってことでいいんだよね!?
みなもすなるblogといふものを、ボクもしてみんとてするなり。
それの年の弥生の4日の戌の時に門出す。

ボクも流行にのってblogなるものを始めてみることにしました。
日常の雑感や、読書メモ、ミニコラムなんかを徒然と書き綴っていくつもりです。
細々とでも末永く続けられたらと思っています。

ここを訪れていただいたのも、何かの縁。
よろしければ是非ご一読下さい。
楽しんでいただければ幸いです。